2023年7月、「エラワンバンコク」にバンコク店をオープンして以来、バンコクのフーディーたちをこぞって虜にしている東京・表参道のミシュラン1つ星の名店「デンクシフロリ」。華やかなホリデーシーズン真っ只中の今、1年間がんばったご褒美に、あるいは気持ちを新たに1年のスタートを切る新年のお祝いに、世界で活躍するシェフたちが織りなす“和キュイジーヌ”を堪能しませんか? 現在、絶賛大好評中の冬メニューをレポートします。
串に刺した食べやすいスタイルが世界で評価される
懐石料理に遊び心あふれるアプローチを取り入れた独創的な日本料理で「アジアのベストレストラン50 2022」で第1位に選ばれた東京・神宮前の有名日本料理店「傳」のオーナーシェフ長谷川在祐シェフ。同じく神宮前の二つ星フレンチ「フロリレージュ」(「アジアのベストレストラン50 2023で7位」)の川手寛康シェフ。日本のグルメシーンを牽引する二人のトップシェフの手によって2020年10月に表参道に誕生したのが、和とフレンチが香る串料理レストラン「デンクシフロリ」なのです。
オープンからわずか1年で「ミシュランガイド東京 2022」では一つ星を獲得……と、舌の肥えた人々をがっつり魅了した同店がさらなる新天地として選んだのはバンコク。今年7月、エラワン・バンコク・ビルのLG階にオープンするや否やバンコク中のグルマンたちがこぞって駆けつけ、予約を取るのが困難なレストランとして話題を独占中です。
3ヶ月に一度、季節の食材を取り入れたメニューに一新されますが、現在は冬季メニューが大好評お目見え中。今回、3500Bのランチにお誘いいただき、編集部が堪能して参りました!
デンクシフロリの冬メニュー
「デンクシフロリ」のお料理は、全てコースで提供されます。まず渡されたのは、シェフが選んだ厳選食材の食材名が書かれた超シンプルなお品書き。料理名は一切明記してありません。一体どんなお料理が目の前に出されるのでしょう。楽しい謎解きの始まりです。
1. Ikura Terrine de Legumes
目にも鮮やかなテリーヌからコースはスタート。「日本の夏野菜でタイの常夏を表現しています」と、清水シェフ。焼き目を入れたヤングコーン、オクラ、ブロッコリー、ズッキーニ、山芋、にんじんを使った吹き寄せに程よい塩味のいくらを添えた、食感のハーモニーも彩りも美しい逸品。
2. Shrimp Tom Kha Kai
続いてはトムカーガイと海老。タイを代表するスープのひとつであるトムカーガイに焼き鳥を添えたタイと和が融合したメニュー。お椀の中にはふんわりした海老しんじょ、タマリンドソースでソテーしたキノコ類を合わせて旨味を凝縮。お口直しにアーモンドトライフルが添えられていました。
3. Scallop Truffle
炙って香ばしさを出した帆立とトリュフをあしらった卵豆腐に、温かい大根おろし餡をかけていただきます
4. Duck Bok Choy
清水シェフ渾身のローストダックと合間にネギを挟んだ焼鳥スピリットあふれるメニュー。和のお浸しとフレンチのソテーを融合させたタアサイを付け合わせに。
5. Abalone Pumpkin and Potato
餡に包まれたアワビと、ほっこり甘いカボチャの竜田揚げ、さつまいものフリットを交互に味わうことで、口いっぱい恍惚とした多幸感が訪れます。
6. Beef Tongue Gobo
ごぼうをはじめとする日本の冬野菜を炊き込みご飯に、柔らかく煮た牛タンがベストマッチ。「もう満腹」とお腹をさすっても、おいしそうな香りと湯気を上げるごはんを前にすれば胃袋の隙間が自然と開きます。
7. Soba
鶏出汁スープでいただく十割蕎麦で締め。フォアグラとキャビアが添えられているのにびっくり。これは年越し蕎麦を食べる日本の風習とフレンチを代表する食材と組み合わせた師走御膳ならではのご馳走です。
8. Dessert
「デンクシフロリ」の定番スイーツ・いちご大福とカラメルプリンとほうじ茶でほっこり。
日本の食材できちんと創る和食に、インターナショナルなエッセンスを効かせて
これらの素晴らしいコースは、清水シェフがてきぱきと手際よく料理をするキッチンを囲むように配置された18名が座れるコの字型のカウンターでいただきます。シェフとの会話を楽しみながら繰り広げられるライブ感あるおもてなしは、エキサイティングなわくわく感をもたらししてくれるでしょう。
堅苦しいルールや文学的な表現は抜きにして「美味しいものを気楽に楽しく食べてほしい」、それが「デンクシフロリ」の信条。ミシュラン店は敷居が高いのでは……と敬遠しがちな人にもぜひ足を運んでほしい、まるで「町の行きつけの店」のような気軽さと温かなおもてなしが、ココにはありました。
店を仕切る3人のシェフたちはこれまでも一緒に切磋琢磨してきた間柄のため、それぞれの得意分野を熟知しており、「意見がぶつかることは特にない」のだとか。
メニューを考案する際は基本となるベースを長谷川シェフが担当し、それを海外経験も豊富な川手シェフと清水シェフがアジャストし、「デンクシフロリ」独自の洗練された味やアプローチに仕上げていくと教えてくれました。
実際、料理風景を見ていると、長谷川シェフが土鍋で炊き、清水シェフが肉を焼き、川手シェフがフレンチの美的感覚を活かして盛り付ける……と、阿吽の呼吸であっという間に美しく仕上がっていく料理にすっかり魅了されてしまいました。
日本とタイの素材とエッセンスが絶妙に融合した最高のお料理を存分にご堪能あれ!
(TEXT:Haruka)
DENKUSHI FLORI BKK
住所:LG Fl.,Erawan Bangkok, 494 Phloen Chit Rd.
営業時間::12:00〜14:30 18:00〜22:00
TEL:02-022-0200
予算:ランチ: 5 品 2,800B++〜、7 品 3,500B++〜 ディナー: 7 品 3,500B++〜
Facebook:denkushifloribkk