こちらのコンセプトは「Thai Art of Spa」。いったいスパのタイ芸術ってなんなのか。スタイリッシュなブティックホテル、LiT BANGKOK内にありました……。
報告者:編集部KN(タイ国内30県制覇)
《ずばり実感報告》初体験!波のうねりのようなマッサージ
駅近の踊るスパ!?
「タイ国内の伝統ダンスを取り入れたスパメニューです」。最初にそう聞いて、まさに心が躍りました。ダコで美容と健康のコーナーを担当して10年。いろいろなスパ施設を見てきましたが、タイダンスに関連する施術なんて、出合ったことがありません。陽気な時間を想像しました。
その舞台となるスパは、BTSナショナル・スタジアム駅から徒歩2、3分の立地に建つ「リット・バンコク」に入っています。採光のいい正面玄関を抜けたところにあるガラス張りの空間で、木陰のような木目調の設えに、木漏れ日が差し込むレセプション。施術前から何とも心地よいのです。スパスペースは照明がグンと落ち、ほのかな暖色の光が道先案内をしてくれます。部屋は全部で6室。こじんまりとゆったりと、落ち着きます。
タイ国内のリズムと天然素材を生かす
さて、伝統タイダンスを取り入れた施術とはどういうことなのか。
「その地に生まれた音楽は、その地の人を躍動させたり落ち着かせるために自然発生したようなもの。そうして出来たリズムや踊りは心身にいい影響を与えるはず、と取り入れているのが私達のスパなのです」。
マーケティングスタッフのチャナキットさんは、さらにその地方のハーブやスパイスといった天然素材を使っているとも言います。ケミカルな物は一切なく、保存料などが必要になってしまうプロダクト販売はしない。毎回、施術前に準備されるのです。
たとえばバンブー・マッサージ。タイ東北部、イサーン地方の小気味よい音楽のリズムに合わせて、セラピストが身体に圧をかけていきます。使うのは東北部の切りたてホヤホヤの竹や蜂蜜。カーム・マッサージはタイ北部の渓谷のように穏やかな起伏を描いていくアロマ・マッサージで、血行促進と深いリラクゼーションの世界へ。オリーブや橙の花が素材で、優しくゆったりした音楽がBGMです。
南の貝と人の手でフニャフニュに
私はホットシーシェル・マッサージを受けました。タイ南部の伝統的な流水を表現するパフォーマンスアートの心地よさを生かした、独自のマッサージテクニックを施してくれるということで、横たわりました。
使うのは、チュムポーンやプラチュアップキリカンの海で獲れるホイビアと言われるタカラ貝、シーシェルです。イランイラン、ジャスミン、ラベンダー、蓮を合わせたマッサージオイルは、すべてオーガニック素材。音楽は海のBGMでした。
施術はまず、フットバスで天然の海塩とライム、こぶみかんを使って足を洗います。5分ほどなのに足元がつるっつるになりました。
上半身から脚へのマッサージは温められたシーシェルが使われます。それは本当に寄せては返す波のようでした。腕全体を使って、グワッしと背中を包み込むように押してくれたかと思うと、次は貝でのホットマッサージ。部位ごとに強弱がしっかりつけられ、テンポも速くなったり遅くなったり。イタ気持ちいい部位と、さらっと滑る部位、「うっ」と思わず声が出る部位……。この絶妙なはまり方がたまりません。
一皮むけたい節目を
元気付けてくれるスパ
その後、キリヤ・フェイシャル・トリートメントを受けてみました。素材は天然植物だけを使用。クレンジングにヨーグルトとオレンジ、スクラブはブラウンシュガー、マッサージがスイートアーモンド、蜂蜜。マスクはパパイヤ(肌質によってはオートミールやアロエベラに変わる)。終わってみると、顔が一皮むけたようにすっきりさっぱりしていました。
いろんなことが重なると、街角マッサージでは疲れが取れないことがあります。人を元気づけるリズムや動き、空間があるキリヤ・スパ。本帰国を控えた今、もう一度シメに行っておこうと思います。
KIRIYA SPA
場所:1st Fl., LiT BANGKOK Hotel, 36/1 Soi Kasemsan 1 Rd(. BTSナショナル・スタジアム駅から3番出口から徒歩3分)
電話:0-2612-3456
時間:10時~22時 無休
料金:今回の施術:Hot Seashell Massage70分2500B、Kiriya Facial 60分1800B、そのほかのメニュー:Bamboo Massage、Calm Massage各70分2500B(税サ別)
Web:www.litbangkok.com/hotel/?page=Kiriya_Spa