バンコクの街角

【徹底解説】バンコク・タクシー界に革命を起こす!? 乗車拒否なし、クレカ払いOKの「All Thai Taxi」が5月に登場!

ここ最近のバンコクで社会問題となっているのがタクシーのサービスの悪さ。在住者やリピーターの方なら、乗車拒否をされたり、メーターを使わず相場以上の金額を請求しようとする運転手に遭遇することはもはや日常茶飯事といっても過言ではないはず。

 

これは近年の物価上昇の高さに比べてタクシー運賃が安いまま(世界屈指のコストパフォーマンス!)であることも関係しているわけですが……。やはり利用者側からするとタイ人外国人を問わず不満も多いようです。

 

そんな状況を受けて、サービスの質で勝負するタクシー会社やタクシー関連サービスがいま注目を浴びています。タクシー配車スマートフォンアプリの「Grab Taxi」「Easy Taxi」、高級感あふれるタクシーサービスを独自に提供する「Uber」などがありますが、この2月10日、新たなタクシーサービスが発表されました。その名は「All Thai Taxi」

 

これは地方への長距離バスサービスで知られるナコンチャイエアー社がAll Thai Taxi社を設立して提供するサービス。当初は700万Bを投じてトヨタのハイブリッド・カー「プリウス」500台を使って今年5月から開始させる予定です。

 

この「All Thai Taxi」の特徴は、

 

①乗車拒否なし。

②専用のスマートフォン配車アプリを用意し、それを使って車両を呼ぶことができる。

※配車アプリを使った場合は20Bの手数料が必要。

③全社GPSを装備。上記アプリを使って車両の現在地をリアルタイムにできる。

④クレジットカードやデビットカード、プリペイドカードでの決済が可能。さらに、現在のタクシーでは設置されてても使用できない場合が多い領収書発行機も使用可能。

⑤料金は通常のメータータクシーと同じ。初乗り料金は35B(1kmまで)。

⑥女性の乗客は女性の運転手をリクエストすることができる。

⑦車両の色は黄色。

 

などがあります。この辺りはほかのタイ関連のニュースサイトでも報じられているとおりなので、すでにご存じの方も多いかもしれません。

 

現在、公式Facebookページが立ち上がっており、そこに車両のさらに詳しい情報が公開されているので、以下、そこから分かる情報をお伝えします。

まずは、

①コールセンターの電話番号は1624番。

②車両の上部にある「TAXI METER」の表示のほかに、空車か否かと走行速度が表示される。

 

 

③メーターやクレジットカードの機械が下の方に設置されている。そのため、窓から射し込む日光でメーターが見にくくなることはなさそう。

 

 

④燃料にはガソリン(ベンジン)を使用。通常の天然ガスを使って走るタクシーだとトランク内に大きなガスタンクがあって、それがトランクを狭くしているのですが、このサービスでは写真のとおりトランクにガスタンクはなく、より大きな荷物を入れることができます。ちなみにトランク中央の銀色の箱がGPSを使った「Smart Control System」の様子。

また、天然ガスを使わないことで燃料補給の時間を短縮します(天然ガス用のガソリンスタンドは数が少ないため、スタンドを探すのにも補給にも時間がかかる)。

⑤自動車保険は第1級のものを使用。

⑥車両内は毎日清掃して清潔を保つ。

⑦車内と車外に防犯カメラを設置して、もしもの時にも記録が残るようにする。運転手の顔と身分証明書もスキャンして記録が残るようにする。

⑧タブレットを装備して、車の追跡・配車サービスに使えるようにする。また、車内にアルコール検知器を設置。

⑨3月1日より運転手の募集を開始。4月1日より20台による試験運用を開始。500台による本格的なサービス開始は5月8日頃を予定。

 

なるほど、調べれば調べるほど従来のサービスよりもワンランク上を目指していることが分かります。

 

この親会社となっているナコンチャイエアー社は、長距離バスサービスを提供しているわけですが、①専用のバスターミナルを使用、②広々とした座席の特注VIPバスを運用、③車内に添乗員を配置、④機内食ならぬ車内食を提供、など、それまでのタイの長距離バスにはなかったサービスを始めたことで有名な会社。

 

ナコンチャイエアーがワンランク上のサービスを提供することで、ほかのバス会社のサービス向上にも寄与したと言われており、今回の「All Thai Taxi」開始によってタクシー業界にも同じような影響が与えられるのではないか、と個人的に期待しているのですが……。

 

気になるのはその台数の少なさ。バンコクで営業するタクシーは現在11万台以上もあるので、その中の500台はあまりにも頼りない数。また、利用者も相当な数がいると思われるので、開始当初はかなり早くから予約しておかないと乗れない、なんて事態も起こりそうです。このサービスが好評ならそのうち台数も増えていくと思われます。

 

なお、時をほぼ同じくして配車アプリ「Grab Taxi」も12人乗りバンを手配できる「GrabXL」なるサービスを開始した様子。こちらはぜんぜんニュースになっていなくて可哀想なので、ここで紹介しておきます。(F)

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