「サムットプラカーン県の緑の楽園、とっても素敵だったので2週続けて川を渡ります」と看板ライター、かぴさんから連絡が! 川の渡り方は、前号お届けした「サイクリングコース」とほぼ一緒。癒しを求めて今度は水上マーケットと闘魚ギャラリーのご案内です。
左:週末だけの水上マーケット/右上:渡し船の乗降は要注意/右下:味のあるペダルボート
【旅して書く係】かぴ:最近はタイの川魚料理に開眼
ローカル色とレトロ感、強し!
今が行きどき、穴場の市場
前回同様、貨物船やクレーンが立ち並ぶクロントゥーイの小さな船着場から、チャオプラヤー川対岸のプラプラデーン郡を目指します。バーンガチャオ船着場に常駐しているバイクタクシーに乗ればほんの10分足らずでバーンナムプン水上マーケットに到着。
朝は早めに出動したつもりでしたが、すでに市場は大勢の人でにぎわっています。ローカル色たっぷりでまだ外国人観光客はチラホラといった具合。
市場の中は思いのほか広く、洋服や雑貨、食べ物も色々あって目移りします。食欲をそそる地元料理の数々、水路沿いには水上市場名物のクイティアオ食堂やぶっかけご飯屋さんが並びます。
左上:絶品の川魚の甘露/右上:焼きエビも山盛り、でも激安/左下:伝統的なクイティアオ/右下:フルーツもお値打ちで豊富
クイティアオの店で軽めの朝食にするつもりでしたが、一緒に行ったメンバー4人が各々好きなものを買いながら市場を巡り、持ち寄ってみたらかなり豪勢な食事になってしまいました。
おすすめはプラー・タピアン・トム・ケム。日本の鯉の甘露煮によく似た川魚の煮付け。ふっくらとした身に甘辛い味付けで日本のご飯が欲しくなりました。
左:年季の入ったガチャガチャ/右:転がらないサイコロと指輪
マーケットの中には子供向けの遊具や金魚すくい、ヤギに餌やりができるコーナーもあってチビッコが大はしゃぎ。アンティークの家具が展示されたエリアでは木製のチェス盤やレトロな食器などが展示され、5Bの古びたガチャガチャからはサイコロやオモチャの指輪が出てきました。
魚マニアとリゾート好きに捧ぐ
現地のおじさんの美しき園へ
広い市場をくまなく歩き、市場の端にあるバイクタクシー乗り場から今度は別の施設に移動します。道中、サイクリングを楽しむ白人グループを何度も追い越しました。
やって来たのは行きに利用したバーンガチャオ船着場からほど近いところにある闘魚ギャラリーです。
こちらも週末だけオープンしているという緑豊かなリゾート施設に作られた一風変わったミニ水族館。入口近くにある受付で記帳をして見学者カードをもらって中に入ります。料金は無料。贅沢な庭園とは対照的な手作り感いっぱいのコーナーです。
闘魚とはベタという東南アジア原産の小さな淡水魚のことです。タイの川や田んぼの畦にいる小さな魚で縄張りを守るために喧嘩をする習性があり、それを利用した遊戯が発達しました。観賞用にも改良されて赤や青の長く美しいヒレを持つものもありますが、原種は実に地味な川魚です。
こちらはギャラリーといっても、お父さんの趣味が高じて作ってしまったという風情ですが、見比べればヒレの形も色もそれぞれ違い、地味ながらもマニアの心をくすぐる展示です。屋外に点在する大ぶりな闘魚鉢の中にもベタがおり、つんつんと相手を威嚇する様子が見られます。
左上:週末は自転車ツアーも盛ん/右上:緑が一杯の広々とした敷地/左下:美しいヒレを持つ闘魚ベタ
右下:立派な東屋にも魚の展示。実はここはトイレ
よく手入れされた広い敷地には大きな池があり、樹々は沢山の花を付けています。ウェディングパーティーなどにも利用されるそうですが納得の美しさ。散策をする私たちに池のほとりにいたガチョウがびっくりして大騒ぎ。驚かせてごめんなさい!
敷地の奥には素敵な佇まいのリゾートホテル。設備の整ったキャンプ場もあり、自然を楽しむのにもってこいの贅沢な空間でした。濃い緑を目に焼き付けながらしばしバンコクの喧騒を忘れてぼんやり。
帰りは歩いて船着場へ。渡し船は行先が色々あるようで、何本か見送った後、船着場にいたお婆さんが「向かいの船着場に行くのはこれだ」と教えてくれました。
チャオプラヤー川をはさんで見えるのはバンコクの高層ビル群。ああ、現実に戻るのがもったいないな。すっかりハマってしまった緑の楽園でした。
タイムテーブル
8:45 タクシーでトンロー駅を出発
9:00 クロントゥーイ港のゲートに到着
9:05 渡し船に乗船
9:10 バイクタクシーで水上市場へ
9:20 バーンナムプン水上市場に到着
10:30 クイティアオ屋さんで休憩
11:10 バイクタクシーで移動
11:20 闘魚ギャラリーに到着、散策
12:10 船着場へ戻る(徒歩5分ほど)
12:25 渡し船に乗船、タクシーを拾う
13:00 ビッグCラマ4世通り店で解散
行きかた& 見どころ
BTSトンロー駅→クロントゥーイ船着場
タクシーでテスコロータス(ラマ4世通り店)角の信号交差点を南へ直進、港のゲート向かって右手のお寺の門をくぐり、路地を進んだ突き当りに渡し船の船着場あり。タクシー代はトンローから約60B、乗船料は10B。
【For Taxi】 ไปท่าเรือข้ามฝากวัดคลองเตยนอก จอดที่ทางเข้าวัด
船着場→バーンナムプン水上市場
Bang Nam Phueng Floating Market
船着場にいるバイクタクシーを利用。「タラート・ナーム」で通じます。料金は30B~
場所 Bua Phueng Phatthana, Bang Kobua, Phra Pradaeng, SamutPrakan
時間 土日祝:8時~14時
水上市場→闘魚ギャラリー
The Siamese Fighting Fish Gallery
バーンナムプン水上マーケットからバイクタクシーに乗る。
【For Taxi】 พิพิธภัณฑ์ปลากัดไทย (バーンガチャオ船着場近くの四差路のそば)
18/1 M 3 Soi Watrajrungsan, Bang Kachao, Phra Pradaeng, Samut Prakan
場所 土日:10時~17時
電話 0-2815-0149、08-1861-3542
HP www.fightingfishgallery.com
闘魚ギャラリー敷地内の宿泊施設
プンタラ・ボタニック・ホーム Punntara Botanic Home
電話 0-2461-3710
HP www.punntara.com/index.html
Eメール welcome@punntara.com
お食事処
ジアップ・クイティアオ・ムー・トムヤム เจี๊ยบก๋วยเตี๋ยวหมูต้มยำ
電話 08-9110-8146
料金 クイティアオ・ナーム(大盛り)25B、クイティアオ・トムヤム25B
水路沿いのクイティアオ店、トムヤムスープはマイルドな辛さ。ほかにも水上マーケットの中には船で調理する食堂が並んでいます。
注意点
移動手段は主にバイクタクシーと貸自転車。自分の自転車などで出かける時は、さらに下流のワット・バンナー・ノーク船着場の大型渡し船を利用します。暗くなると街灯も少なく危険です、明るい時間帯がおすすめ。
※本誌p.33のMAP内でワット・バンナー・ノーク船着場の位置を間違えてしまいました。申し訳ございません。正しくは、下記のようになります。
評価
・ローカル度 ★★★★☆
・サバイバル度 ★★★☆☆
・食べ過ぎ度 ★★★★☆
・心癒され度 ★★★★★