
タイでは今週も様々なニュースが駆け巡りました。そのなかでも注目のニュースを、ダコの姉妹紙である「newsclip」編集部が解説します。
今回のテーマは、「店頭か通販か? 過渡期を迎えるタイの小売業」について。
newsclip.be発、今週の注目ニュースは?
7月8日 「『セントラル・ハジャイ』 8月閉館」
※参考記事
7月1日 「タイ、出前アプリを価格統制品目に」
7月8日、newsclip.beで「『セントラル・ハジャイ』 8月閉館」という記事が掲載されました。タイ小売り大手セントラルグループ運営の百貨店「セントラルデパート」が、タイ南部ソンクラー県ハジャイ市の百貨店「セントラル・ハジャイ」を8月23日で閉店するというニュースです。
セントラルグループはセントラルデパートのほか、同じく百貨店の「ロビンソン・デパート」や書店チェーンの「B2S」など、在タイ日本人にも馴染みが深い店舗を多く展開しています。そのセントラルグループの基幹事業というべきセントラルデパート、しかもタイ南部で最大の商業都市とされるハジャイの店舗の閉店は、多くの人に相応のショックを与えたと察します。
ただ、閉店となる「セントラル・ハジャイ」は外国からの旅行者や観光客で賑わう旧市街に建ち、コロナ禍の影響が閉店理由ということは十分に納得できます。ハジャイにもう1店建つ、地理的に利用客のほとんどが地元タイ人であるという「セントラルフェスティバル・ハジャイ」は、これまでどおりの営業を続けるとのことです。
「オンラインビジネスのための売買および配達サービス」が価格統制品目に

タイでもコロナ禍を受けて、ネットショップなどの通販の需要が急激に増えました。セントラルデパートもロビンソン・デパートももちろん、ネットショップを開設しています。自粛要請の解除によって、実店舗は営業を再開しましたが、客足が遠のいたままであることは否めません。店頭での買い物の頻度を減らしてネットショップでの注文を増やす、という消費者の動向が見て取れます。今まさに、タイの小売業の過渡期ではないでしょうか。小売り事業に携わる日系企業も結果の善し悪しに関わらず、影響を受けていくことになるでしょう。
今が過渡期であることは、newsclip.be内のほかの記事でも見て取れます。例えば7月1日掲載の「タイ、出前アプリを価格統制品目に」というニュースです。コロナ禍で出前アプリの使用が増える一方で、配送料に関する苦情も多く挙がってきているため、政府が料金の統制に乗り出すというものです。きっかけは出前アプリですが、統制対象は出前にとどまらず「オンラインビジネスのための売買および配達サービス」となっています。
ネットショップや出前をはじめとする通販は今後さらにシステム化され、消費者にとってより使い勝手の良い業態を整えられていくでしょう。そして、その過程で新たな問題が生まれてくるのも確かです。実はすでに、通販市場に大小様々な配送会社が参入することによって、配送料の過当競争が起こっているようです。
例えば、この数年タイで人気が急上昇の通販サイト「ショッピー」では、商品注文の確定時に配送会社を選べるようになっています。郵便局も、誰もが知る国際規模の大手物流会社も、タイ地場の小規模な配送会社も、配送料はほとんど横並び。そのなかで苦戦しているのは、どうも大手のようです。知名度が高いだけにサービスの質は落とせないが、料金は下げないと顧客離れを引き起こすというジレンマを抱えてしまったのかも知れません。
我々日本人は決して、「安く利用できればそれで良い」という立場にありません。倉庫業務として通販に関わる日系企業が存在します。実店舗の行方にも通販の発展にも、在タイ日本人および日系企業の貢献が求められているともいえます。








