今号の読者からの相談
あるタイ人スタッフの遅刻グセがなおりません。
始業時間から必ず10分から40分遅れて出社します。とっととクビにすればいいと思うでしょうが、仕事はデキるのです。ワーカー職ではないので残業代は 払っていないのですが、その分、給料に上乗せしています。遅刻のたびに注意すると、本当にすまなそうに謝るのですが、翌日はまた微妙に遅刻します。私のこ とを嫌いなのか、それとも挑発しているのか……。
タイムカードを導入して遅刻の現状を明確にし、給料をカットすべきでしょうか?
(M.M.さん。印刷業)
ブンからの回答
給料カットは事前の取り決めを
初めての方、はじまめして。ブンです。2年ぐらい前に不定期でこのコラムが掲載されておりましたが、復活して喜んでいます。
さてお問い合わせの件ですが、タイの労働者保護法76条によると、会社が従業員の給料から無条件で差し引いていいのは、所得税と社会保障費のみと定められています。給料カットは事前に双方の同意がなければなりません。
ちょっとタイの会社の例を紹介しましょう。
A社では
①就業時間から5分過ぎたら遅刻とみなす。
②だれが遅刻したか毎月の会議で公開する。
③月3回遅刻があると常習者とみなす。
④3カ月おきに常習者と面談してボーナスを出さない。昇給しないことを通告する。
⑤遅刻しない人にはみんなの前で褒美を出す。
またB社では
①5分までの遅刻は容認。
②30分以上は欠勤とみなし1日分カット。
③1ポイント=4回の遅刻として半年間で7ポイントたまるとボーナスなし。というのがあります。いずれも事前に会社側と従業員が合意して始めなければなりません。3年目には、ほとんど遅刻する人がいなくなったそうです。辞めたのかもしれませんけど。
カットすることで遅刻を容認?
私は遅刻したから給料をカットするというやりかたは反対です。だって遅刻してもいいですよ、休んでもいいですよ、と会社が認めるようなものじゃないでしょ うか。またタイ人従業員は、ま、カットされるんだから遅刻でいいやと考える人もいると思います。やはりここは正攻法で、なぜ遅刻するのがよくないのか、 じっくり諭してあげるべきと思います。
①遅刻はアナタの人生設計も遅らせる。
②ほかの社員の仕事を増やすことになる。
③遅刻しても許されるあたなのことを同僚は白い目でみる。
④結果、社員同士の仲も悪くなる。こういうことを会社と社員の間できっちり話し合うのが一番です。
会社側がすべきこと
社員を諭すのなら会社には従業員のモチベーションを上げる企画やアイディアを社員に提供すべきです。
そうそう、前述のA社の⑤には大賛成です。上司のポケットマネー程度のものでいいと思います。
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いよいよ始まりましたブンに聞け。人気のコラムになるか!