アフタヌーン・ティーにやってきた。
BTSサイアム駅からサイアムパラゴンを通って徒歩8分にあるサイアム・ケンピンスキーのハヌマン・バー。ロビーのその先にある大きな窓からはプールサイドでくつろぐ西洋人の姿が見える。ハープ奏者が緩やかな指捌きで心地いい曲を奏でる中、いただく午後のお茶のひと時はひと味違った。
使われるティーは、ドイツの最高級ブランド「ロンネフェルト(Ronnefeldt)」のもの。24種のラインナップがあるが、オススメは? と聞いたところ、今回のアフタヌーン・ティーと相性のいい3種を紹介してくれた。ベルガモット(こぶみかんの葉)香る「スプレンディッドアールグレイ(Splendid Earl Grey)」、口当たりかるく爽やかな「ホワイトユンナンシルバーティップス(White Yunnan Silver Tips)」、マンゴーのフルーティさが際立つ「モルゲンタウ(Morgentau)」。
私たちが席に着き、紅茶を選ぶとさっそく「カナッペ」が運ばれてきた。ピクニック気分が味わえるようにとタイのお弁当箱「ピントー」に入れられてくる。パステルカラーの厚めのセラミックがかわいらしい。
頃合を見計らってスタッフが運んでくれたのは「サンドイッチ」のツリー。これにも新趣向が凝らされており、なんとシェフ自らがやってきて、その場でノルウェー産のスモークサーモンを切り分けてくれる! なに、これ? こんなアフタヌーン・ティー見たことない!
次はお待ちかねの「スコーン」が恭しく木の箱に入れられて、私の目の前に。開けると布で包まれたスコーンと金色の「K」が輝き、私の胸をドキドキさせる。プロポーズされたときもこんなには興奮しなかったのに! クロテッドクリーム、パッションフルーツジャム、ラズベリージャムを塗りその当時に思いを馳せながら口に運ぶ。目の前にいるコイツもあのときはまだもっと細くて初々しかった……。
そんなことを考えながら、次を待っていたら、またまた箱に入れられた、今度は……宝石? いや「ミニ・エクレア」! ジュエリーを選ぶように、2つ選ぶ。まさに宝石箱や~!
最後まで楽しんでね、と言っていたスタッフの言葉どおり、最後に一番の大物がやってきた。それは、金の実がたわわに実った蓬莱の玉の枝? わたしはかぐや姫か! 「ミニャルディーズ」にはマカロンがあり、チョコのタルトがあり、マシュマロがあり、タイ菓子のルークチュップ(緑豆餡)があり、とタイと西洋のスイーツがふんだんに盛り込まれている。
こんなファンタジーの世界に連れ込んでくれるアフタヌーン・ティー、どこを探してもほかにないだろう。完全に日常を忘れて、時間を忘れ、乙女な頃の自分に戻ってしまっていた。
日常を忘れ、夢の国へと連れて行ってくれる場所がここにあった。
ハヌマン・バーで9月から始まった「アフタヌーン・ティー・リイマジンド」は高級ディナーを思わせる5品コースでやってくる。24種から選べるドイツの高級ブランド「ロンネフェルト」とともにどうぞ。
Afternoon Tea Reimagined
時間:土日のみ 14時~17時(L.O.16時)
料金:999B(税サ別)
電話:0-2162-9000
HP:https://www.kempinski.com
場所:サイアム・ケンピンスキーG階ハヌマン・バー