プミポン国王陛下御崩御から2日経った10月15日の12時頃のシーアユタヤー通りです。
昨日の記事で、御遺体の搬送を見送るために数万人のタイ国民が王宮に向かったことをご報告しましたが、その流れは搬送が終わった今日になって続いております。
昨日は、搬送自体は夕方に終わったのですが、王宮の前からは深夜まで国民の群れは消えず。王宮も国民のために通常なら閉める正門を開いたまま、外から中が少しでも見えるようにしていました。
搬送から一夜明けた今日から20日まで、弔問客による記帳が始まりました。期間は15~20日の8時半~16時。
そのため、タイ全土から弔問客が王宮に向かっており、昨日と同じく渋滞や交通機関の混雑が発生しているようです。
この状況を受けて、AISが各バスターミナルやフアラムポーン鉄道駅と王宮周辺をつなぐ無料送迎バスの運行を発表したり、周辺地域住民が王宮へバイクで無料送迎するボランティアを始めたりしています。国難の際に一致団結する姿……と書いたら目頭が熱くなってきました。
上記の記帳以外でも、各法要スケジュールが下記のとおり発表されているので、20日以降も王宮に向かう国民は多いと思われます。
初七日法要 10月19日(水)、20日(木)
15日法要 10月27日(木)
※日本の 二七日(ふたなのか)法要にあたる。
50日法要(12月1日)
※日本の49日法要にあたる。
100日法要(1月20日)
王宮とエメラルド寺院は10月20日まで特別休館となっていますが、しばらくは弔問客を邪魔しないためにも、また、渋滞を助長しないためにも、われわれ外国人は観光目的で近づかない方がいいかもしれません。もちろん、「弔問したい」という方はぜひ行くべきですが、移動時間や待ち時間に十分な余裕を見ることをおすすめします。
また、10月14日夜。プロンポン駅周辺からトンロー、エカマイ辺りまで行ってみましたので、その営業情報です。
ショッピングセンター、レストラン、居酒屋、バー、アイリッシュパブ、カフェ、ルーフトップバー、マッサージ店、スパなどほとんどのお店は営業していました。映画館は一部が14日の1日休館したのみで、後は営業しています。
お酒の販売に関しては、ビラマーケット(無期限)やテスコ・ロータス(無期限)、マックスバリュ(15~17日)などが販売を自粛。セブンイレブンなど売っている店舗もあります。これはお店それぞれで判断している様子。飲食店でも提供しています。
(なお、今年から16日のオークパンサーも禁酒となったようで、この日は売られていません)
ただしクラブやディスコのようなDJが入って踊るような、音楽主体となるお店は閉店中です。
また、飲食店ではBGMを流さないで無音もしくは王室関連のラジオ番組を流して営業をしている所が大半のようです。
政府からは30日間の娯楽自粛要請が出ているので、この「街から音楽が消えた」状態は最長で30日間は続くはず。
そうなると、基本的に日払いで仕事しているバンドミュージシャンやDJの生活は相当苦しいことになりそうです。
音楽を愛した王様をお送りするのに、これはちょっとさみしい気がします。せめて、王様の作った曲(48曲あり、「プレーン・プララーチャーニポン」と総称されています。さまざまなアーティストが演奏しており、同じ曲でもオーケストラからジャズ、ボサノバなどものすごく幅広いバージョンがあります)や王様を讃える曲だけでも許可してくれないかな……と思うのですが、その辺はタイ人の皆さんが判断することですよね。
ここ数日このプレーン・プララーチャーニポンや王様を讃える曲をiPodにありったけ入れて聴きまくっているのですが、本当心に沁みますね……。服喪期間が明けたら、おそらく来年とかになると思いますが、盛大に王様追悼コンサートが行われたり、王様追悼アルバムがリリースされたりするんでしょうね。
そうなるとさらに違うバージョンが増えて、あちこちのジャズバーやホテルのラウンジで演奏されて、一大プレーン・プララーチャーニポン・ブームが巻き起こったりするんじゃないか(10年前の即位60周年の時もブームでした)、と考えると、音楽好きとしては少しだけ気持ちが明るくなってきます。
ちなみにプレーン・プララーチャーニポンの中でも代表とされるのがこちらの曲。
英語名「H.M.Blues」 タイ語名「ชะตาชีวิต チャター・チーウィット(運命の巡り合わせ)」
※H.M.はHis MajestyではなくてHungry Mensの略。
思いつくままに書いていたら、とても長くなってしまいました。(F)