今号の読者からのご相談
(前略)タイ人の友達はランスアン通り(ルンピニ公園寄り)に、おじいちゃんの代からの家に住んでいました。しかし、彼の家は取り壊されてしまい、聞くところによると近々高級コンドミニアムが建つそうです。
てっきり民間不動産会社から土地を譲るよう依頼があって、それなりのお金をもらったんだろうな、と思っていましたが、王室のPropery Bureauから土地を明け渡すように言われて、従わざるを得なかったとのことです。
なんでも、土地は王室に属する契約になっていて、立ち退きは拒否できず、数万バーツのお金が支払われただけで引っ越しせざ るを得なかったそうです。
さらに驚いたのが、こういう立ち退きは日本でもありますが、政府及びお役所が行うのは、一般市民が利用する公共施設建設の時であって、私腹を膨らますような高級コンドミニアム建設なぞはあり得ないと思っております。役所が旗振り役になって、貧困層向けの住宅建設目的ならば理解できます。
(中略)こういう話は本当なのでしょうか? 役所が高級コンドミニアム建設などあり得る話なのでしょうか?(みーちゃん)
契約どおり立ち退き
王室の土地から立ち退く際にもすべて契約に基づくはずですから、その契約に従わざるを得なかったということであり、驚くことではありません。
おじい様の代からとても安い賃料だったと推察されます。
契約終了前に立ち退きを迫られたのであれば、契約に明記された補償金額があるはずです。
俯瞰的に判断
おっしゃるように王室の土地の利用は、貧困者向け、公共施設、政府や自治体の関連施設といったものが主で、現在、それが90%を占めています。残りの10%は商業施設となっています
ドゥシタニホテルやセントラルワールドのような一等地も王室が所有しており、その一帯の建物、民家は50年などの長期契約で借りているわけです。
王室財産管理局は、バンコクの商業地区の土地代が高騰しているため、その場所に貧困者向けの住宅を建てるより商業施設にしたほうが収入が増え、大局的により有効に使えると判断しているのではないでしょうか。
現在のランスアンの土地代をお知りになりたければCROWN PROPERTY BUREAU(王室財産管理局。電話:0-2787-7000)までお問い合わせください。
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