郊外は蜜の味。ちょっとした情報ひとつで楽しめる近場なのに、その「ちょっとした」がないと、なかなか行きにくい。県境の市場ワンデーは、まさに密の味。次はあなたが練り歩けますように。
旅して撮って書く係:MIMO 郊外情報にアンテナ高く、休日のレジャーはもっぱらバンコクの外
県外市場じゃないの!?
東郊最大と言われるミンブリー市場に行くことにした。「ミンブリーって県名じゃないの?」とよく言われる。ミンブリーは50あるバンコクの行政区の一つで、バンコク北東部に隣接するチャチュンサオ県の境にあり、スワンナプーム空港から約6kmという位置にある。エンポリアムの向かいのバス停から501番バスに乗り終点まで約1時間。いつもの買い物よりはちょっと遠出になるけれど、なんといっても地元価格で東郊最大。主婦の大きな味方になりそうだ。
さてこの市場、いくつかのゾーンから成り立っていて、大きく分けるとシハブラーヌキット通り(Sihaburanukit Rd.)を挟んで旧市場と新市場とに分かれる。
手抜き主婦の味方でもある旧市場(Sihaburanukit通り偶数側)
ソイ20をセンセープ運河方面に向かうと、生鮮品中心の屋根付き市場の入り口が右手にある。これが60年の歴史を誇る元祖ミンブリー市場である。なんと午前2時に開店するこの市場、いったいどんな人が夜も開けぬうちから買い物をしていくのかと思いながら散策すると、小さく切った空芯菜にモヤシ、豚の細切れを売る店を発見。「さては、クイティアオ屋向けの店だな」と気づいた。ほかにもカレー屋向け、バナナの葉を売る店、串専門店、お持ち帰り用のビニールを売る店などが並ぶ。なるほど、屋台や食堂の店主向けの店だったのだ。あとは茹でるだけ、混ぜるだけって、手抜き主婦にはもってこいなんですけど。
市場を出ると、センセープ運河の袂に青空市場が広がっている。野菜の盛り合わせが1笊10B、スーパーで高額なパプリカも混ざってるじゃないか!
新市場(Siihaburanukit通り奇数側)は、屋根付きの3つのゾーンがあり、それらを囲むように小さい商店がびっしり並んでいます。
店員が埋もれるフードゾーン
Sihaburanukit通りから入って手前半分は生鮮市場。肉、魚、野菜、何でもあるが、中でも目を引くのは青果店。高いひな壇にゴロゴロと盛られた果物の山に、店員が埋もれている。すごい上から目線で売ってくれます。反対側の半分には食堂街。お勧めのクイティアオ屋「プア・チーウィット」はこのエリアにあります。
子ども服まとめ買え! 雑貨ゾーン
洋服、下着、ファッション小物の店が中心。見所はまとめ買い必至の子供服と、イスラム教徒の多いミンブリならではのイスラム系の服地店。また、どの店で買い物してもビニール袋に入ってくるので、最初にこのエリアで買い物袋用に軽い布バッグを買っておくといい。唯一冷房の効いたカフェ「Coffee Road」があるのはこのゾーン。
さらにゾーン3内には、携帯電話やコンポなどが並ぶ「ITミンブリー」エリア、懐中電灯、ねじ回しなどを売る工具店、よく間違ったカタカナ表記を見かける車のステッカー店など比較的男性向けの店が多い。一方雑貨ゾーン1に面した表側には女性の靴屋がずらっと。戦利品のサンダルは、このエリアの中にある「ゴーガイ」。
デジカメ控えて、買い食い天国
ミンブリー市場の醍醐味は、なんと言っても買い食いしながら練り歩くこと。小腹が減ったらイスラム系の牛肉ルークチンをかじろう。また、どこで何を買ってもスクムビットより遥かに価格が安く財布の紐が緩みっ放しになるが、新市場の中には銀行が4店舗あるのでご心配なく。また、土曜、日曜は雑貨ゾーン1 横の駐車場で定期市が開かれる。CD、DVDや、Sony Cricsson(!)の携帯、コンバースのスニーカーなどが破格で売られてますが、あれですから、あれ。実は、今回も某スポーツメーカーのキャップがずらっと並んだ帽子屋さんで撮影していたら、店主のおばちゃんが血相を変えて飛んできて、削除命令されました
(編注:撮影してデザインを盗んでいく人がいる、とタイでは『撮影厳禁』の店が多い)。
ここはひとつ、カメラは持参せず、思いっきり地元民の皮を被って「サーオサーオ(若い女性の総称)」なんて呼ばれながら歩くのが、ここミンブリー市場を楽しむ秘訣かもしれません。
行き方
①スクムビット通りから、エアコンバス501番に乗り、終点ミンブリーで下車。
終点は新市場内にあるので、帰りは間違いなく座席確保できる。
②戦勝記念塔のロータリーを降り、高速道路下に乗り場のあるミンブリー行きロット・トゥーに乗り、
終点ミンブリーで下車。