ウボンラーチャターニー
カオパンサー(安居入り)を迎える雨季さなかの8月上旬、タイ東北部
のウボンラーチャターニーでは、タイ3大フェスティバルの1つと言われるキャンドルフェスティバルが盛大に行われる。
観て来た男は「職人の魂と技術、郷土の伝統と宗教感が詰まった橙色の巨大なキャンドルに心身とも圧巻された!」らしい。
来年はあなたのイベントとなりますように。
バスに揺られて15時間
今年のカオパンサーは、8月3日。土日と合わせて4連休となった。モーチット・バスターミナルは北へ帰省する人たちでごった返していた。混雑のためか予約していた21時発のバスは2時間遅れの23時にバンコクを出発し、予定到着時刻に6時間半遅れてウボンラーチャターニーには14時半に到着した。
式典の夜
バスターミナルからホテルへ移動し、ひと息つく。その後メイン会場のトゥン・シー・ムアン公園に向かった。この祭りの由来は、カオパンサーの日から3カ月に渡り、寺にこもる僧侶に教徒が蝋燭を寄進したことによる。現在は、蝋燭職人たちの力作を競う盛大なお祭りとなった。
公園付近は簡易遊園地ができるほど、大変な盛り上がりを見せており、そこらじゅうで大音響のイサーン(東北タイ)音楽が鳴り響いている。
また、パレードに出場する壮観な山車が道路に並べられており、記念写真を撮る旅行者の姿や縁日気分で遊びに来る地元の人たちで大にぎわい。
パレードが行われるウッパラート通りへ到着すると、打って変ってこちらの通りは厳粛な雰囲気に包まれており、タイの民族衣装を着た女性たちが手にろうそくを持ち静かな面持ちで開式を待っていた。
そう、本日はカオパンサー前夜。静かな仏教の式典が行われる。式典の時間となりお経が流れ始めると、民族衣装を着た女性も観客も全員キャンドルを手に持ち皆祈りを捧げる。
初日のイベントはそのまま静かには終了した。
盛大なパレード
2日目は、キャンドルフェスティバルのメインパレード。
朝一から街全体はすでにお祭り会場化しており、朝の8時半から行われるパレードでは各チームが郷土舞踊と仏教説話の彫刻を施した巨大なキャンドルを山車に乗せて練り歩く。
舞踊もキャンドルも各チームごとに特色があり目の前を過ぎるたび、その凄さに圧巻される。午前中のパレードは3時間半に渡ったが、あっと言う間に終わった気がした。夕方のパレードまで街中を観光することにした。
合間の観光スポット
会場のトゥン・シー・ムアン公園の隣にウボン国立博物館がある。
この国立博物館はウボンラーチャターニー周辺の遺跡から発掘された先史時代の土器やクメール遺跡の遺物が展示されている。
イベント期間中は特別に海外アーティストがこのイベントのために手がけたキャンドルアートを見ることができる。
今年、日本の木彫刻の佛師、石原良定さんが出場しており、見事に彫り上げられた不動明王が展示されていた。
さらに見ておきたいお寺はエメラルド仏を祀り、重要な仏教行事には多くの僧が集まるワット・シーウボンラットとタイ・ビルマ・ラオスの様式を取り入れられた美しい木造の経蔵があるワット・トゥン・シー・ムアンの2つである。
コンテスト入賞者発表
18時になり今年度の入賞チームが発表される。その後、入賞者順にナイトパレードがスタート。
昼間に見たパレードとは違い暗闇の中、光に照らされた郷土舞踊と巨大キャンドルはどこか神秘的なものを感じずにはいられなかった。
感動と歓喜の中、今年のウボンラーチャターニー・キャンドルフェスティバルは幕を閉じた。