嫁さんの友達から「友達がしゃぶしゃぶのお店を始めたので行っておいで。コンテナを改造したかわいいお店よ~」と教えてもらった。家からも近く、ちょっと気になったので、さっそく行ってきた。
場所は、ラムカムヘン通りからわりと近いタウン・イン・タウンの中。どこかな~、と見渡していたら、真っ黒のコンテナのお店を発見。タイフレンチを使用するタイ牛焼肉のお店「コークン」の前の歩道にある。
黒く塗られたコンテナに白いペンキで書かれた店名やイラストがスタイリッシュ。中に入るとこぎれいで、エアコン席もあって、コンテナ改造店舗と言って侮れない感じ。
こちらの店では、4つのスープ(黒・すき焼きスープ、味噌、赤・辛スープ、透明スープ)が用意されている。中央に仕切りのある鍋を使うので、この中から2つの味を選んで注文する。
今回、選んだのは、黒スープと味噌スープ。黒はちょいと甘口、しょうゆラーメンのスープのようなまろやかな味わい。味噌はあっさり目の味噌ラーメンのスープといったところ。ほかのふたつは食べなかったけれど、ここはラーメンの味わいが感じられるしゃぶしゃぶ屋か!?
嫁さんの友達の友達は、30代半ばのタイ人女性とのこと。店名の「PAPA SHABU」とあるように、このお店の味は、彼女の父親がレシピを考案したものなのだとか。その親父さんは、10年ほど日本へ出稼ぎに行っていたと経験を持つ。
立ち上る湯気の中、ラーメン風味のしゃぶしゃぶを食べていると、考えるともなく、とある光景が浮かんできた。
ほわほわ、ほわほわ
……
北陸の工業団地で出稼ぎ労働者として働くひとりの男。
南国タイからひと旗揚げようとやってきた。
日本に来て初めての冬を迎える。
慣れない仕事、慣れない寒さ。
タイの故郷が懐かしい、恋しい、寂しい。
粉雪が舞う夜、仕事場からアパートへの帰り道。
チャララ~ララ、チャララララ~の音が聞こえた。
その音と、うまそうな匂いに導かれるように、自然とそちらに足が向かう。
それは、ラーメン屋台だった。
凍える身体を温めてくれる熱いスープ。
こちらに来てから、慣れない食事に戸惑うことばかりだったけれど、
初めて、心底「アロイ」と思った。
そして月日は流れ、10年近くが経った。
男は故郷、タイに戻る決心をする。
タイでの仕事はまだ決まっていなかったけれど、
やっと妻や子供たちと一緒に暮らすことができる。
その思いで、胸がいっぱいだった。
明日日本を立つという出発前夜、興奮して眠れなかった彼は、
夜の町に散歩に出る。そして聞こえてくる、チャララ~ララの音。
久々に懐かしの味を食べながら、ひらめく。
そうだ、この味をタイのみんなに教えてあげよう、と。
タイ人ってのは、一人で食べるよりもみんなで食べるのが好きだから、
ラーメンとして一杯一杯出すのではなくて、
大人数でみんなで一緒に食べられるように鍋にしよう!
……と、このような経緯でオープンしたかどうかは、もちろん僕の勝手な妄想だけれど、この鍋は日本の屋台ラーメンを思い出させてくれる、そんな懐かしい気分にさせてくれる味。
このおじさんも、ときどきお店のお手伝いをしている、ということなので、もし運がよければ「PAPA」に会えるかもしれない。
(U)
PAPA SHABU farm
時:16時半~23時 無休
電:09-5416-4615
FB:www.facebook.com/papashabufarm
料:スープ(黒・すき焼きスープ、味噌、赤・辛スープ、透明スープ)各25B、具材豚肉類・鶏肉29B、野菜15~20B、牛肉35B、、肉団子35~40B









