
タイでは今週も様々なニュースが駆け巡りました。そのなかでも注目のニュースを、ダコの姉妹紙である「newsclip」編集部が解説します。
今回のテーマは、「バンコクの建築物と地震」について。
newsclip.be発、今週の注目ニュースは?
9月2日 「タイの新国会議事堂で雨漏り 工期5年過ぎまだ建設中」
newsclip.beに9月2日、「タイの新国会議事堂で雨漏り 工期5年過ぎまだ建設中」という記事が掲載されました。大量の雨水が建設中の新国会議事堂に入り込み、数十センチ浸水したというニュースです。
タイでは建物のトラブルが日常的に起こり、なかでも建設中の倒壊をよく耳にします。newsclip.beで「建設・作業現場事故」と検索すると、いろいろヒットします。完成した建物が倒れるという事故も皆無ではありません。例えば2年前には、「バンコクでタウンハウス倒壊、手抜き工事か」(2018年5月8日)という記事が掲載されました。
在バンコク日本人の多くが建物のトラブル、特に「大地震が起きたらどうなるの」と心配しています。「バンコクには大地震の記録が残っていない」といわれますが、現ラッタナーコーシン王朝の歴史は240年足らず。それまで今のバンコクに大きな都は存在していませんでした。プレート的に大きな地震は起きにくいとのことですが、昔から全くなかったとは断言はできないのです。
日系の不動産仲介業者が作成した、タイおよび周辺諸国のプレートの状況を示した地図を拝見したことがあります。バンコクは確かに安全そうでしたが、実際にはタイ北部や隣国ミャンマー辺りを震源地とする地震が伝わってきます。それでも震度1、2がせいぜいなので、大地震は起こらないという見方はやはり正しいのかも知れません。
バンコクで大地震が起きたら?
「バンコクで大地震が起きたらビルが軒並み倒れる」と、在バンコク日本人はよく口にします。2004年に起きたスマトラ沖地震はバンコクにも伝わってきて、震度1、2度にも関わらず高層ビルのバイヨックタワーIIの壁が一部、はがれ落ちました。それより大きく揺れたらどうなるのでしょうか。
そのような予想を、タイ進出日系大手ゼネコンの担当者に尋ねたことがあります。そのときの回答は、「いわゆる液状化現象で、倒れる前にずぶずぶ沈んでいく感じではないだろうか」ということでした。一方、タイ地場不動産大手の担当者に同様の質問をぶつけてみたところ、「(堅固層に達する支持杭の)パイリング施工を考えれば建物が沈むとは考えにくい」という答えでした。
ちなみに堅固層は決して平面ではないため、1メートルずれれば地表からの深さが変わってきます。打ち込む支持杭の長さもばらばらということになります。タイの建設会社によっては、使用する支持杭の全ての長さを最も深かった測定値に合わせ、打ち込んだ後に飛び出した頭を削って揃えるようです。数年前に日本の高級マンションで実際にあった、測定ミスと資料改ざんで数センチ短くなってしまった支持杭を原因に傾くといったトラブルは、理屈的には起きないとのことでした。
一方、タイ地場ゼネコンの日本人担当者が以前、「バンコク首都圏やタイ東部一帯は軟弱層が深く、20、30メートル掘っても堅固層に達しない。ただそこまで深いと支持杭が圧力で固定される」と話されていました。支持杭が堅固層に達しなくても計算上は問題ないということです。そのようなパイリング施工があるとするなら、前述の「ずぶずぶ沈む」という予想も当たるような気がします。
大地震が起きたらどうなるのか? 結局、実際に起きてみなければ分からないという結果になってしまいましたが、「倒れる」という言葉から想像する「鉛筆がボキッと折れる」ような倒壊ではなく、崩れていくという感じではないだろうか、ということです。まさに、建設中に頻発している「倒壊」です。個人的には、ずぶずぶ沈むのであればば、地中に埋まったとしても上階に上がれば助かるのかという希望が持てます。








