バンコク伊勢丹6階の日本料理専門店街「伊勢丹ごちそう通り」。天丼&丼物専門店の「丼丼亭」が撤退してしまい、その跡地になにができるのかずっと気になっていたところ……そこになんと天ぷらの有名店「銀座ハゲ天」がやって来ました! 今週半ばにオープンです。
日本では自分の街の独立した天ぷら屋さんをよく利用していたし、「ちょっといい天ぷら屋」でいうと、「銀座ハゲ天」より「新宿つな八」の方が行動圏内にあるので、日本の「ハゲ天」には行ったことがないのですが天ぷら大好きな私は取るものも取りあえず、いそいそと行ってみました。
「ハゲ天」については「有名な天ぷら屋。名前は知ってる」くらいの知識だけで行ったわけですが、お店に着いて店頭のメニューを見て軽くびっくり。予想を上回る値段でした。天ぷらの定食ものでは、一番安いもので大海老天丼の400B。天ぷら定食は500~900Bでした。一品物の天ぷらや刺し身なんかも置いてあります。
勝手な予想で300B台半ばくらいを想定していたので一瞬躊躇しましたが、これでコンスタントにおいしい天丼が食べられるなら儲けものと思って入店。
(ちなみに、同じフロアでいうと「歌行燈」さんに天丼セットがすでにあるのですが、天ぷら自体はおいしいものの、タレが薄味すぎて個人的には不満です。注文すると天丼のタレを持ってきてくれて追加でかけられるのですが、ちょうどいい濃さになるまでかけると、今度は天ぷらとご飯がタレでベチャベチャになってしまうのが悩ましいところ……。タレの味が倍の濃さになったら個人的には100点に相当肉薄するのですが)
店内は上品な内装。奥の方には個室もあるようでした。店員がテーブルに来たのでさっそく大海老天丼を注文。
フロア担当の店員は全体的に年齢が高め。日本語を少し話すスタッフもいて、おそらく飲食店での経験が長い人で固めているのだと思います。丁寧な接客が期待できそうだと思いました。
程なくして大海老天丼が到着。カラフルな丼に蓋が乗っています。さっそくご開帳!
まんべんなくタレが掛かっているようで、全体的に茶色い天ぷらになっています。
天ぷらは大海老2本にキス、カボチャとナス、舞茸という構成だったと思います。
(メモ取りながら食べていたわけじゃないので正確じゃないかも)
こういう時、私が一番最初に食べるのはキス。野菜天の下からつまみ出して、ひと口パクッ。
サクサクの衣に、ほんのり香ばしいタレの味。そしてキスの魚らしい香りが立ち上ります。
普段食べている安い天丼だと、キスは食感がふかふかなやわらかい白身魚、というだけなのですが、ここでは魚の匂いが口に広がりました。
タレの味付けもちょうどいい濃さでご飯が程よく進みます。
そして本命の大海老の天ぷら。正直、タイで生活していると、これ以上のインパクトがあるエビを見る機会が多く、サイズ的には「大海老」というほどのインパクトは受けませんでした。これはこのお店がどうこう、というよりはタイ在住者が普段の生活で受けている恩恵だと思います。
そんな事を思いながらひと口パクリ。……いける!
ここの海老天は衣の付け方が、下側は薄め、上側は厚めになっています。
そのためひと噛みすると、下の歯は薄い衣を早々に突き破ってご本尊であるエビ本体に一気に到達。エビのぷりん!とした食感と共に、舌にエビの舌触りと味がすぐに届きます。
それと同時に上の歯では衣のサクサクとした食感を楽しんでいるわけですね。
つまり、上下ダブルで楽しくて、かつ、おいしいわけです。いいねぇ。
こういう衣の付け方をする天ぷら屋さんは別に「ハゲ天」さんだけじゃないと思いますが、今回食べた時はその付け具合がとてもちょうどいいと思いました。
そしてなんといってもうれしかったのが漬け物。なんと、タイでは珍しい、秋田のいぶりがっこ(燻製にしたたくあんのようなもの)が付いて来ました。これ、大好きなんですよね。
そんなこんなで「銀座ハゲ天 バンコク店」の初臨店でした。
天ぷらコースを頼むと、職人さん(おそらく日本人の、かなりベテランの方でした)が揚げ終わるたびに席まで運んでくれるようなので、次回はちょっと特別な気分の時にコースを食べに行ってみようと思います。(F)
デザートの抹茶アイス。
大海老天丼とビアシン(小)で565Bでした。悪くないかな。