今特集の制作期間中、在タイ日本国大使館 特命全権大使の佐渡島氏が絵画を趣味としている、という情報を伝え聞いたダコ編集部。
しかも、タイの日常風景の絵をシリーズで制作しており、そのなかにクロントゥーイ市場を描いた連作があるという。
すぐさま掲載をお願いし、さらに厚かましくも、この市場を描くに至った想いをうかがった。
徳川幕府は、交易船の乗組員から綿密な聞き取り調査をして「唐船風説書」という書物を残している。17世紀末の記録には、タイ(シャム)が干魃(かんばつ)を知らない食糧豊かな国として記されている。クロントゥーイの市場に来ると、そのことが今日も変わっていないことを実感する。
最初にここを訪れたのは、赴任直後のことだ。その規模の大きさに圧倒された。このような市があればこそ、おいしいタイ料理もあろうというものだ。周辺部より、奥に分け入った方が、同じものでも少し安い。消費者の手間も考慮されたシステムは、いかにもタイらしく微笑ましい。
そして市場が抱える活気は、絵心も刺激してくれる。クロントゥーイ5連作の第1号がこの作品だ。
佐渡島志郎(さどしま・しろう)
福岡県出身。77年外務省入省、15年4月より在タイ日本国大使館 特命全権大使。絵画は、学生時代に独学で始め、その後中断していたものの、前任地のバングラデシュにて再開。現在、タイの日常風景を描いた作品シリーズを創作中。








