1983年生まれ、37歳。福岡出身。父の影響で3歳からクラブを握り、24歳で日本のプロテストに合格。2017年からシーラチャーに拠点を移し、ゴルフ教室を経営しながら、タイ国内のトーナメントに挑戦している。
24歳で日本のプロテストに合格し、日本で活動を続けてきた三野原直愛(みのはら・なおよし)さんがタイ・シーラチャーに移住したのは3年前。34歳の時だった。日本でスランプに陥り苦しんだという三野原さんだが、タイでゴルフの楽しさを改めて実感。2021年からは本格的にタイ国内ツアーに参加するという。
初めて来たのは大学のときでしたが、プロになってからシーズンオフの1〜2月に合宿するようになったのが、タイとの関係の始まりでした。シーラチャーで活動を始めたのは3年前です。
実は日本にいた時は、調子が悪くても休むことなく試合に行かなければならない、という焦りの中にいました。冷静に自分のゴルフを見つめなおすことができず、悪循環に入っていたんですね。でもタイでは下を向いてとぼとぼ歩いているような人を見たことがない。タイに来てタイ人のポジティブさに触れたことで、「自分もあまり考えこまなくてもいいのかな」と考えさせられるものがありました。
今思うのは、悩んでいても思い切って一歩を踏み出してみれば、意外と乗り越えられるものなんじゃないかなということです。なるようにしかならないから、だったら仕事が楽しくなる方法を探した方がいいと、タイにきて強く感じています。例えば練習場では鍋をつついてお酒を飲みながら練習をしているタイ人のグループがいたり、キャディもワイワイ楽しそうに仕事している。自分も日本にいるときよりゴルフが楽しくなったんですよね。
世界への道筋が整うタイのゴルフシーン
国内トーナメントに出るのが第一の目標ですが、移住してからはまずゴルフ教室の経営に力を入れていました。そうしたら3年が経ち、さらにはコロナ禍になってしまったんですが…。2021年は本格的にタイ国内トーナメントに参加しようと考えています。
世界的に見ても、タイのゴルフはレベルが高いんです。有名なのは、女子世界ランキング1位になったアリヤ・ジュタヌガーン選手。男性ではプラヤット・マークセン選手は、日本のシニアツアーで大活躍しています。
日本ツアーはほぼ日本で完結するので、世界に目を向けられる環境にあまりない。でもタイは、世界を目指す環境が整っています。まずタイの国内ツアーに挑戦し、次にアジアンツアー、そしてその先にはヨーロピアンツアーと、ステップアップが明確なんです。
今後の目標はまずタイの国内ツアー。日本人でアジアンツアーに出る選手もいますけど、現地に住んで試合に出る日本人プロはまだ多くない。アジアンツアーも目標にしつつ、自分の国なので日本の試合にも出たい。ヨーロピアンツアーも最後の目標ではありますが、高すぎる目標ですかね(笑)!