3分でわかる!今週のタイ・ニュース解説

【3分でわかる!今週のタイ・ニュース解説】販売台数からは見えてこない?自動車関連産業の実情


タイでは今週も様々なニュースが駆け巡りました。そのなかでも注目のニュースを、ダコの姉妹紙である「newsclip」編集部が解説します。
今回のテーマは、「自動車関連産業」について。

newsclip.be発、今週の注目ニュースは?

8月4日 「タイ 7月の新車販売25%減、5.9万台」

タイ国内の自動車販売台数のニュースがnewsclip.beに掲載されました。8月20日の「タイ 7月の新車販売25%減、5.9万台」という記事です。

出所はタイ工業連盟(FTI)で、タイ国内の販売台数は7月が24.8%減、5万9335台。正しくは「新車販売」ではなく「小売販売」ですが、newsclip.beでは原文のままだと中古車も含まれるという解釈で、新車販売と表記しています。

わざわざ説明する必要もありませんが、自動車関連産業はタイ経済を牽引する、そして在タイ日本人が最も多く携わる産業の一つです。

新車販売台数はいわば、自動車関連産業の動向を評価するバロメーターとみなされています。誰もが気にする数字であり、今一度その推移を整理してみます。もちろん、newsclip.beで毎月の数字を掲載しており、記事検索が可能です。本来は「生産台数」、「輸出台数」「(部品を含めた)輸出総額」なども並行して確認すべきですが、ここではタイ国内の景況感に沿って販売台数のみを並べてみます。ちなみに、単純計算で生産台数の「半数ずつ」が国内販売および輸出になります。

2020年1月:7万1688台 前年同月比8.2%減
2020年2月:6万8271台 同17.1%減
2020年3月:6万105台 同41.7%減
2020年4月:3万109台 同65%減
2020年5月:4万418台 同54.1%減
2020年6月:5万8013台 同32.6%減
*2020年上半期:32万8604台 37.3%減
2020年7月:5万9335台 同24.8%減

「コロナ禍以前」までの回復は?

新車販売台数はコロナ禍でざっと「半減」したというのが共通の認識です。さらに、半減で済んでいるのが「不思議」というのが、自動車関連産業に携わる人々の感想のようです。周知のとおり、生産および販売の激減によって過剰な在庫が生じており、企業(メーカー)にさまざまな影響を与えています。一例を挙げると以下のようになります。

❏ 「わずかながらの受注が続いているので工場を閉めずにいるが売り上げは7、8割減」
❏ 「一般生活では峠を越して安心感が広がっているが、我社は9月が最も落ち込むと予想。10月以降は未知」
❏ 「工場を5月から3カ月間閉鎖したが再開した今月には6割程度まで持ち返した。ただ7割まで回復しなければ事業縮小やむなし」
❏ 「納品できずに在庫があふれている。そのための倉庫を借りなければならず、売り上げを回収できないのにさらに経費がかさむ」

6月から7月にかけて新車販売台数の減少幅は縮小していますが、それが個々の企業の業績回復を意味しているわけではありません。むしろ今後さらに悪化する、という心配を抱える企業が多く存在します。そして、回復といってもそれは「コロナ禍以前」を意味しています。先の数字を見返せば一目瞭然で、新型コロナウイルスの問題が広がっていない1、2月ですでに、前年同月比で減少を示しています。すでに減少していた業績に回復するだけの話なのです。

少し前の話題となりますが、newsclip.beに「タイの日系企業の景況感、過去3番目のマイナス結果 バンコク日本人商工会議所(JCC)調査」(6月30日)という記事が掲載されています。(JCC会員としての)在タイ日系企業による2020年下期の見通しはマイナス44であり、リーマンショック当時の2009年上期のマイナス53、タイでの洪水および日本での震災の影響を受けた2011年下期のマイナス41と同等の景況感、という内容です。日系企業の苦労はまだまだ続きそうです。

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