オークラ・プレステージ・バンコクの「エレメンツ」は日本の食材や調味料を取り入れたフランス料理を提供し、ミシュランの星を獲得しているレストランだ。
この7月に料理長に着任したハンス・ザーナー氏は、アラン・デュカス氏を始め、フランスで活躍する日本人シェフ、小林圭氏と共に働き、日本の食材に精通している。
麹や味噌など、日本の発酵食品がタイのトップシェフたちの間でも使う人が増えてきた。しかし、その持ち味を十分に活かせてなかったり、悪いクセが味に出ていたりして、ちゃんと使いこなしている人は少ないというのが個人的な印象である。
しかし、そこは日本を代表するホテルオークラのフレンチ、ハンス氏の料理からそのような違和感はまったく感じられない。
メニューは「松」と「竹」という、コース料理2種類のみを提供。これにシェフのおすすめが加わる。
それではさっそく料理を見てみよう。今回試食させていただいたのは7コース・ディナーの「松」だ。
アミューズは味噌で味付けをした和牛や、柚子がほんのり香るムースなど。
牡蠣の前菜には色鮮やかなキュウリのソース。ほどよい酸味の大根のピクルスとポン酢のジュレが牡蠣の風味を引き立てる。
クリーミーなフォアグラ豆腐には柿のスライスで食感と味覚のアクセントをプラス。
YASAI(野菜)という料理名のとおり、様々な野菜を使った前菜。野菜だけとは思えないリッチな味わい。
絶妙な調理具合でプリプリの食感と素材の甘味を活かしたノルウェー産ランゴスティン(手長エビ)の一品。
素材の風味が豊かな日本産クロムツを、酸味のきいた爽やかなソースと、クリスピーなビーツの鮮やかな色合いを合わせた。
フレンチではおなじみの鳩のグリルを、グレーズした黒ニンニクのソースでクセを感じず風味を楽しめるひと皿。
低温調理したとろけるような食感の牛肉に、金柑のソースや山椒のアクセントを効かせている。石庭を思わせる美しい盛り付け。こちらは上の鳩のグリルとどちらかセレクト(牛の場合は+800B)。
デザートはゴマのアイスクリームや抹茶のムース。柚子のキャビアは食感も楽しい。右手奥にあるのは、プチフールのひとつである様々なフルーツゼリーやナッツを、米で作った食べられる紙で包んで食べる斬新なスイーツ。
玉砂利に見立てた小豆に盛り付けられたプチフール。
日本にありそうでない、日本の調味料や食材の持ち味を活かしつつ、完成されたフランス料理としてアウトプットしたコース料理。その意外性は日本人だからこそ楽しめる要素も多い。
Elements
営業時間 18時~22時半 日月休
プールサイド 10時~20時 無休
電話番号 0-2687-9000
料金 松(7コース)4500B、竹(6コース)4000B
HP www.okurabangkok.com
場所 オークラ・プレステージ 25階
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