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元看護婦の義母と世間話をしていたところ、子供の「アヒル歩き」について教えてくれた。
アヒル歩きとは、その名のとおりアヒルのように上半身からお尻にかけて左右に振る歩き方だ。放っておくと膝が伸びきり、骨盤がずれて、O脚の原因になるんだそう。子供の場合、特に早めに治療するのがいいと言われたが、小さな子供が変わった歩き方をするのはわりと一般的と聞くし……、どのタイミングで治療にふんぎるべきかわかりにくい。
1歳の息子を持つ母(私のこと)としてはやはり気になる。ネットで調べていたところ「とあるクリニック」を見つけた。そこは、背骨や関節に特化した整形外科で、O脚やX脚の総合治療を行っている、らしい。問診だけでなく、レントゲンを撮って体を隈なくチェックし、自宅でできるエクササイズも教えてくれる、またオリジナルのインソールも作れる、らしい。
「らしい」だけでは心許ないので、子供を連れて行く前に話を聞きに行くことにした。
ロケーション良し! BTSプロムポン駅から徒歩約3分
そのクリニック「バンコク・アドバンス・クリニック」はBTSプロンポン駅からほど近い、スクムビット・ソイ24を入ってすぐにあった。お昼前に到着したのだけど、館内はすでに多くのタイ人やファランで混雑していた。週末は子連れの親御さんでごった返すので、平日の予約がオススメ。
留学経験のあるスタッフさんが日本語通訳
名前を呼ばれて診察室に入ると、優しい顔をしたダンディなソムサック先生が座っていた。先生はスポーツ選手のドクターもしている。
事前に日本語の通訳をお願いしたところ、神戸の専門学校で整形靴の勉強をしたことがあるスタッフさんが終始付いてくれた。ソムサック先生は英語が堪能だが、細かい詳細を日本語で質問できたので、きちんと納得しながら話を聞けた。
経験豊富な整形外科医に悩みを相談
相談のつもりで話を聞きに言ったのだが、実際に私を診察をしながら流れを説明してくれた。まずは身をもって体験! 最初は問診から始まる。症状を説明し、触診してもらう。子供は言葉足らずで説明できないことも多いので、触診がとても大切。小さなサインを見逃さないよう、細かく見る目線がとても真剣だ。子供が「アヒル歩き」かどうかもきちんと見極めてくれる。
高画質のレントゲン検査で体をチェック
次にレントゲン検査。子供がじっとしてられる年齢の場合は「フルデジタルXレイ」という高画質の機器で触診では確認しきれない骨盤や膝の位置をチェックする。症状によっては、MRIなどの機器も使用。
レントゲン結果を元に検証
レントゲンが撮れたら、写真を見ながら体の状態や症状の原因を診察してもらう。レントゲンには骨だけでなく筋肉も写っており、写真の濃さによって筋肉の発達具合がわかる。
先生は、なるべく手術以外の方法で改善できるようにアドバイスしてくれる。症状によって自宅でできるコアの筋肉を鍛えるトレーニング方法も教えてくれるので、何度も通わなくていいのがありがたい。
世界に一つだけ! オーダーメイドで作るオリジナル・インソール
当初、整形外科に来たのに、インソール? と思ってしまったが(きっと顔に出てしまったのだろう、先生自ら説明してくれた。先生、察してくれてありがとう)、体を支える土台となる「足」の機能が低下すると、骨格のバランスが崩れ、体に無駄な負担が掛かる、これが体の悩みを引き起こす原因となる。
足元から崩れた骨格バランスを整えるのに有効なのが、このオリジナル・インソールだ。
クリニックの上階には整形靴のスペシャリストが常駐しており、ドイツやフランス製のもの、スポーツや日常生活用など、使用環境によって異なる素材を使って2週間ほどで作ってくれる。
インソールをオーダーできる靴屋さんはたくさんあるが、ここでは触診やレントゲンを使って体の問題をきちんと検証し、その人のお悩みをトータルで解消するオリジナルのインソールを作れるのが最大のポイント。
オリジナル・インソールを使うと骨格バランスの調整、足のトラブル予防、姿勢改善、転倒予防、パフォーマンス向上など多くの効果が期待できる。治療なしで改善できるなら、母としても安心!
受付にはインソールや整形靴のサンプルが飾ってある。思っていたほどダサくなく、おしゃれ靴や子供の通学靴として履けそうなサンダルもあって、ちょっとびっくり。
「ちなみにこの国は常夏ですが、ビーサンばっかり履くのは足に良くないですか?」と聞いてみると、「足をきちんとホールドしてくれる形になったビーサンなら大丈夫だよ」とのこと。インソールに鼻緒がついたシンプルなデザインなので、気軽に履けそうだ。
インソールが届いたら、一番愛用している靴のインソールと交換する。1、2カ月後に再び受診し、効果を確認。
「99%の患者さんが効果を実感するよ」と自信満々のソムサック先生。必要であれば微調整をし、6カ月後、1年後と経過を見る。翌年にはすっかり改善するという。
症状にもよるが、そこまでひどくない場合はインソールの装着だけでいいというのは、病院嫌いの子供にはありがたい。親としてもなるべく痛い治療は避けたいので、安心して子供を連れて来られると思った。
日本に住む子供は、バンコクに住む子供に比べて運動量が多い。毎日集団登校で登校したり外で元気に遊んだり、徒歩で移動する機会が多いからだ。すると筋肉の発達が著しく、骨の異常に気付きにくい。バンコクでの生活は運動が不足がちだけれど、だからこそわかる子供のクセもある。それにいち早く気付き、早期治療をしてあげたいものだ。
Bangkok Advanced Clinics
電話 08-1632-6138(英語)
時間 8時〜17時 日休
メール bangkok.advanced@gmail.com
HP www.bangkokadvancedclinics.com/jp
料金 レントゲン検査1500B、診察料500〜800B、インソール6200B
場所 スクムビット・ソイ24
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