タイ人の友達から「あなた、ピーが取り憑いたり抜けたりしてるわね」といわれたことがある。だけど、それは「水を形にこねている」のだと思う。私みたいなこんな落ち着いた性格の人、ほかにはなかなかいないぞ、と心の中で反抗する。
いきなり「ピー(タイ版おばけ)に取り憑かれた」だの、「水をこねたり」だの、何の話? と思われた方も多いかもしれないが、私が言いたかったのはタイ語の言い回しのこと、である。
私たちが日本語で、日常生活の中で、何気なく使っている慣用句。それがタイ生活のシーンに合わせてぴったりのタイ語の言い回しができれば、頭が良くなった気になれるし、タイの人たちと思考を共有できた気分になれる。
タイに来てから毎日様々なタイ語に触れるようになった。片言のタイ語やボディランゲージを組み合わせてご飯を買ったり、取材をしたり。
そんなとき、出合ったのがこの『タイ語のことわざ・慣用句』。なんともわかりやすいタイトル。開いてみるとかわいいイラスト付きで、読みやすい解説、本文もわかりやすく黒と赤で統一されている。なるほど、これは読んでてまったく飽きない。活字も勉強も苦手な私にぴったりだと思い、さっそく読みふけった。
すべての慣用句・ことわざに、各単語の説明も付いているので、初めて見る単語も覚えられて一石二鳥。英語と日本語の言い換え文もあり、タイ語とのギャップがおもしろいので無理なく読めるのもまたいい。
……ふむふむ。結局どこの国も同じことを考えているようで、日本にもある表現が多い。ことわざで使うワードがタイ特有のものであったり、日本にはない考えだったり、ってのがあっておもしろい。
たとえば、日本では「井の中」にいるカエルがタイだと「椰子殻の中」にいたり、日本だと「肩の荷」がタイでは「胸の山」だったり(スケール、でかっ!)。いかにもタイっぽいな~。
ちなみに冒頭の慣用句、前者が「ผีเข้าผีออก:ピー・カオ・ピー・オーク(気持ちがコロコロ変わる人)」、後者が「ปั้นน้ำเป็นตัว:パン・ナーム・ペン・トゥア(話をでっち上げる・作り話をする)」という意味だ。本書をまるまる読み終えた今、私ほどタイのことわざに精通した人はいないと、自分で自分の「しっぽを持ち上げて(※)」みる。
※「ยกหางตัวเอง:ヨック・ハーン・トゥア・エーン」で「自画自賛」。イヌが糞をするときに、だれかに尻尾を持ってもらわないでも(助けを借りないでも)できた、というところから
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(提供:めこん社)