地元の公民館で続けているタイ料理サークルも、もう10年。メニューは前日の買い出し状況で決まり、みんなで作って、みんなで食べるスタイル。食材を忘れて、近所のスーパーに買いに走ったり、逆に余った食材でもう1品急遽作ったり。そんなゆるい感じで、細く長く続けている。
前回のメニューは久しぶりにガピを使った料理。大好きだった屋台料理「ねじれふさ豆とエビの炒め物」。ねじれふさ豆も、たまに日本のタイ食材屋さんで見かけるけれど、みんなが作りやすいように、スナップエンドウにアレンジ。唐辛子とニンニクと玉ねぎを石臼でつぶして、ガピを混ぜ、油を引いたフライパンで炒めると、ぷ~~~んと、ガピのいい香り。豚ひき肉を炒めてから、スナップエンドウとエビを加え、ナムプラーと砂糖で味を調えれば完成。付け合わせは果物のソムタムと、スイーツにバノッフィーパイ。1時間半ぐらいでささっと作り、ランチタイムに食べて、片付けをして終了。
が! その日の夕方、別件でサークルメンバーの集会のため、再び公民館の和室を借りていたのだけど、受付の人から「次に部屋を借りた人から、匂いがすごいとクレームが来たので、もうタイ料理をしないでください」と言われてしまった。ガガーン。たしかに、家に帰ったときに、ダウンからふわっとガピの香りがして、やっぱりガピって、強烈だなとは思ったけど。
しかし、10年やっていてクレームが来たのは今回が初めて。これはサークル存続の危機か(涙)? 「匂いがきつい料理」がNGならまだしも、「タイ料理」限定?
翌日、改めてサークルの代表者のAさんが公民館に電話をしてくれたところ、その日対応してくれた女性はすごく感じのいい方で、換気をしっかりするということで落ち着いた。一件落着。
しかし、これがおでんとか、焼き鳥とか、もしくはイタリアンだったらクレームは来なかったかもしれないなと思ったら、タイ料理は日本で市民権を得ているようで、まだまだ全然なんだね。
下関崇子/ムエタイ修行のために来タイした元プロキックボクサー。タイ人トレーナー、ヨード氏と結婚し一男一女の母に。2006年6月、6年間のタイ生活に終止符をうち一家で日本へ。草の根の日タイ交流、続行中!