書き手 松井聡美(カメラマン)× ロー(カメラマン)
前世からの親友
23歳の頃、先輩カメラマンのバンコクロケにひょこひょこついて来た。そのときに現場に入ってくれたのがローで、当時は2人ともペーペーのカメラアシスタント。
彼の仕事に対する真摯な姿勢と屈託のない笑顔にやられ「この人と絶対に友達になる」と、猛アタックしてからはや16年。お互いの目標が広告カメラマンになるという共通点もあり、仕事の近況報告や機材の話もお互いを成長させたし、お互いの国が大好きで何度行き来したことかわからない。
ローは一人っ子で高齢の母と叔父と3人暮らし。若い頃に一家の大黒柱になってしまった彼は、困難にぶち当たっても揺るがない強さがある。実力はもちろん、人間的な魅力から彼を慕うクライアントや仕事仲間は多く、いまや第一線で活躍するカメラマンとなった。
今、彼の仕事の成果をバンコクで見ない日はない。BTSやMRT、ビルボードなどに掲載される写真を見る度に、「親友の仕事よ」と鼻が高くなってしまう。
「ローの前世は日本人で、サトミはタイ人だったに違いない。その時も親友同士だったのよ」。ローの彼女は呆れて言った。さて、来世はいかに。
(提供:Canon)
タイ在住の日本人が縁あってこの地で知り得たタイ人の友人知人仕事仲間を自慢するコラムです。
(ダコタイ語版ウェブに翻訳されて転載されます)