前川健一の象がバンコクを歩いていたころ

プーカオ・トーン からの眺め vol.002

1980年代と90年代で、バンコクはまったく違う街になった。1989年

19世紀にほぼ完成したバンコクの丘の上にある寺院の黄金の仏塔プーカオ・トーンよりも高い建造物が姿を見せたのは、もしかすると1980年代かもしれない。

タイの建築資料はビルの階数は書いてあっても高さがわからない。プーカオ・トーンも資料によって80m説や90m説などあってはっきりしない。1970年完成のドゥシタニ・ホテルはプーカオ・トーンよりも高いかもしれないがよくわからない。

プーカオ・トーンよりも高いと、はっきりと言い切れるのは1987年に完成した超高層のバイヨークホテル(153m)である。超高層賃貸マンションとして完成したのだが、ホテル不足の流れに乗って入居者を追い出しホテル業に転身した。バイヨークの最上階からバンコクを眺めたあと、プーカオ・トーンからバンコクを眺めた。

1989年のバンコクは、ご覧のとおり、超高層ビルはスクムビット通りあたりにちょっとあるだけ。超高層ビルの森になるのは1990年代に入ってからである。


前川健一の1枚の写真で振り返る ー 象がバンコクを歩いていたころ
古いポジフィルムから蘇る記憶。今はああだけど、昔はこうだった。タイの新旧を写真とともに振り返るコラム。
まえかわ・けんいち 2003年から2018年までダコ本誌にて『前川通信』を連載。特集からコラム、広告までをも辛口の批評をくれているダコ名誉顧問ライター。『タイ様式(スタイル)』(講談社文庫)など著書多数。また、旅行人HP(www.ryokojin.co.jp)にエッセイ「アジア雑語林」を連載中。

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