書き手 倉沢澄夫(タイ国相撲連盟会長)× デーン
小さなヨコヅナ
デーンと最初に会ったのは2009年の春。「相撲を教えて下さい」とプラカノンにある土俵に来た。カセサート大学院でスポーツ科学を学んだ後、柔道のトレーナーなどをしていたそうだ。今はシャネルタイランドの現地法人の幹部社員として働いている。
稽古は四股、テッポー、股割りなど昔ながらのトレーニング。デーンはこれらを否定しなかったが新しい柔軟体操も入れるよう提案した。
2年後、大阪で行なわれたアジア相撲選手権大会、軽量級に出場させた。彼女は機敏に土俵を動き3位に入賞した。今年4月15日国際女子選抜相撲選手権では主将としてチームをまとめ重量級のトゥーイ選手を優勝に導いた。
タイの相撲発展にデーンが最も貢献したことは、1年近くかけてタイスポーツ省と粘り強く交渉し、政府公認スポーツとして承認してもらったことである。私がタイで相撲を教え始めてから20年余、叶わなかったことだ。 今年7月世界選手権大会が台湾桃園市で開催されるが航空券代など遠征費が出ることが決まった。
私のタイ相撲連盟任期はあと2年ほどで切れる。一番懸念していたことが解決し安心して次世代にバトンを渡せる。
(提供:Canon)
タイ在住の日本人が縁あってこの地で知り得たタイ人の友人知人仕事仲間を自慢するコラムです。
(ダコタイ語版ウェブに翻訳されて転載されます)