見た目で選び損をしかけた話
ゴイシーミー
まさか自分がライトノベル漬けになるとは思わなかった。ラノベの特徴である萌え絵の表紙が好みではなかったからだ。そう、僕は本を見た目で選ぶタイプだった。しかし、ラノベの編集を強く勧められ、まったくそそられないがやってみることにした。子供向け小説の簡単な仕事だとみくびっていたが、甘かった。言葉選びのセンスも重要な、立派な学問ではないか。内容もライトどころかヘビーなものもあり、興味深い。
僕同様、表紙が原因でラノベを敬遠している人に伝えたい。本選びの基準を間違えている。見た目で選ぶと良いものとの出合いを逃すのは、本だけではない。今回紹介する店も、実はそうだった。
その店は僕の家の近所にある。メニューは約10種類。特に勧めたいのは「ゴイシーミー」、広東風のあんかけかた焼きそばだ。強火で焼き目をつけた香ばしい自家製バミーが特徴だ。
バミーらしさを楽しみたいなら「バミー・ギアオ・ムーデーン(焼豚とワンタンのせ中華麺)」がお勧め。自家製焼豚は昔ながらの手法で、炭火でじっくり焼き上げた逸品だ。
もう一つ外せないのは、初代からの看板商品「ノムソット・タオフー(ミルクプリン)」。今ではおなじみの「タオフアイ・フルーツサラダ」の原型といえる。牛乳の香りとほのかな甘み、滑らかな口当たりが特徴で、暑い季節に嬉しい冷たいデザートだ。
オンヌットに住んで7年、毎日この店の前を素通りしていた。その理由は、見た目にまったくそそられなかったからだ。たまたま、ペッチャブリー県の老舗高級料理店がオンヌットに店を構えていると聞き、それがその店だと知ったんだ。足を踏み入れた直後も、まだここが件の店だなんて信じられなかった。実際に味を知るまでは。これが、僕が7年間も見くびっていた表紙だ。
ナムティアンby Khanta
ペッチャブリー県で祖父が開いた広東料理店「ナムティアン」(現在は閉店)が原点だ。3代目店主オートさん(40)は、子供の頃から祖父に料理を教え込まれたという。やがて父(2代目)の跡を継ぎ、オンヌットに店を構えた。現在の店名は自身の名を追加したもの。中国料理店の雰囲気を残しつつ、リーズナブルな1皿料理(ゴイシーミー50B、バミー40B~、ミルクプリン20B)へメニューを変えた。スタイルが変わっても、高級料理店の技術は健在だ。
DATA
時間:11時~22時 無休
電話:08-6547-7677