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チャオプラヤー川沿いの5つ星ホテル「カペラバンコク」のメインダイニング「プラナコン」。産地直送のこだわった食材から丁寧に仕上げられた逸品たちが心も体も癒してくれます。極めてベーシックな家庭的なタイ料理ながら、唯一無二の極上の逸品であり続ける。その理由に迫ります。
バンコクでは珍しい南部料理がメイン。原点はプーケットにあり
タイ中部、北部、東北部、南部と、タイ全土の料理を提供する「プラナコン」ですが、メインとなっているのは南部料理。タイ南部料理といえば刺激的な辛さと、海に面した土地柄、新鮮な海産物をたっぷり使うことで知られています。シーフードはラノーン県、野菜はヤオ島など、食材はすべて地元サプライヤーから産地直送され、本場と全く変わらない味を再現しています。
バンコクにはあまり多くない南部料理を中心に据えているのは、シェフを務めるカンニカー・ジットサンウォン氏が5年間修行していた場所がプーケットだったから。
「個人的にもタイの南部料理が好き」と語るシェフ。プーケットは中国・イスラム、インドなど多種多様な文化が入り混じり独自の食文化が発展した、料理人から見て非常に興味深い地域なのだといいます。
中でも、カンニカー・シェフのお気に入りのプーケット料理は「ゲーンプーセンミー」。バイチャップルーという葉っぱとカニ肉が贅沢に入ったイエローカレーをセンミー(極細米麺)に掛けていただく、プーケットを代表するメニューです。「プラナコン」の「ゲーンプーセンミー」(990B)は、ココナッツミルクをたっぷり使い、濃厚でクリーミーだけれどもガツンと来るスパイシーな辛味の中に、新鮮なカニならではの甘みとバイチャップルーの香りがアクセントとなり、後を引くおいしさ。一度ご賞味いただきたい逸品です。
母から受け継ぐ料理メソッド「食材から丁寧に仕上げる逸品に」
ではここで、カンニカー・シェフの経歴をご紹介しましょう。
タイ中部・ラーチャブリー県チョムブン郡の小さな農村で生まれ育ち、子どもの頃からお母さんの料理を手伝うのが習慣だったそう。ココナッツの木、レモングラス、ライムなど、あらゆる食材やハーブが揃っていたというシェフの家でよく作られていたのはカレー。既製品のカレーペーストを使うのではなく、身近な食材を使っていちから丁寧に仕上げていくという料理へのこだわりは、子どもの頃にお母さんから受け継いだものでした。
常に変化する食のトレンドにアンテナを立てながらも、守るべきスタイルは守る。それが唯一無二のタイ料理となっている礎(いしずえ)といっても過言ではありません。
食材も味も複雑かつ奥深いタイ料理。美味と健康の両立を目指す
「食べ物は薬のようなもの。例えば、『チェンダー』(インド原産のギムネマ属の野菜)という野菜は、抗がん作用や血糖値を下げる効果があり、糖尿病患者にもよく食べられているんです」と、シェフ。
新鮮な野菜やハーブ、スパイスをふんだんに使うタイ料理は、まさに“食べる薬”。「カペラバンコク」内には、様々な野菜やハーブ、エディブルフラワーをオーガニックで育てる「シェフズガーデン」があり、レストラン内で提供するメニューにも大いに活用されています。ちなみに、卵の殻など調理時に出た残り物は菜園で堆肥として利用されており、SDGs的な取り組みも賛同したいポイントです。
「私は料理人ですが、まだ知らないことも多い。タイの食用できる食材の中には、私たちがまだ食べ方を知らないものさえあります。タイ料理には果てしない知識が必要ですが、それを学ぶことでおいしさを追求できるし健康を後押しすることもできると信じています」
多種多様なハーブやスパイスを使い、辛味・酸味・甘味・塩味といろんな味が複雑に絡み合って形成されるタイ料理。一流ホテルのメインダイニングをまかされているシェフとて、ずっと学びの道が続くほど、タイ料理の世界は奥深いのです。
ほっと心和む家庭料理をベースにしながらも、味も雰囲気も極上。「私の料理を食べる人を健康にすること」と熱く目標を語るカンニカー・シェフの想いが詰まった素晴らしい料理の数々は3ヶ月ごとに一新されます。ぜひその素晴らしい味を「プラナコン」にてお楽しみください。
(ライター:KYOKO YAMAMOTO)
Phra Nakhon
カペラバンコク Capella Bangkok
住所 300/2 Charoen Krung Rd, Yannawa, Sathon, Bangkok 10120
電話:02-003-6226(タイ語・英語)
時間:12:00~23:00
WEB:https://capellahotels.com/en/capella-bangkok/dining/phra-nakhon
Instagram:phranakhon.bangkok
Facebook:phranakhon.bangkok
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