2022年で設立50周年を迎え、東南アジア最高水準の医療を提供する「バンコク病院」が日本人に向けた医療サービスを開始したのは1977年。日本の医学部を卒業したタイ人医師と日本人医師、日本人コーディネーター、日本語通訳らを筆頭にタイで最も歴史のある日本人向けサービス「ジャパン・メディカルサービス(JMS)」として、タイに住む私たち日本人の健康を支え続けています。
そんな「バンコク病院」には、どんな先生が所属しているのか?
一人ひとりご紹介していきます!
腹腔鏡下手術のプロフェッショナル
ステープ・ウドムサウェンサップ先生/Dr. Suthep Udomsawaengsup
担当:バンコク国際病院・肥満外来 外科医(Bariatric Surgery Center at Bangkok Hospital)
専門は家庭医療、外科
職務歴:20年
【診察時間】
下記にてご確認ください
https://www.bangkokhospital.com/en/doctor/dr-suthep-udomsawaengsup
- これまでのご経歴をお聞かせください
チュラロンコン大学医学部を1996年に卒業し、アメリカで軟性内視鏡と肥満外科手術を学びました。アジア内視鏡外科・腹腔鏡外科学会(ELSA)の理事長を務め、現在はタイ腹腔鏡・内視鏡外科学会(LEST)とアジア太平洋代謝・肥満外科学会(APMBSS)の理事長、タイ代謝・肥満外科学会(TSMBS)の事務総長を兼任しています。
- 肥満外来ではどのような治療を行っているのでしょうか
長期的な効果が得られる方法の一つとして、腹腔鏡を使った手術を行っています。肥満症でBMI32.5 kg/m²以上、食事や投薬、運動による効果が得られない場合は、体重減少を目的とした外科手術を受けられます。
当院では3種類の肥満外科手術を行っています。
腹腔鏡下胃緊縛術:シリコン製のバンドで胃の上部を縛り、少量の食事で満腹感を得られるようにします。超過体重減少率は50~60%です。
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術:胃を一部切除して容量150CCの細長いバナナ状に形成し、食欲増進ホルモンの分泌を抑えます。
腹腔鏡下胃バイパス術:50年以上にわたり行われている最も標準的な肥満治療手術で、前述の二つの減量法よりも血圧と糖尿病を改善する効果があります。胃を30CCの小さな球状に分け、長さを調整した小腸と接続し、消化吸収を阻害する方法です。超過体重減少率は約70%です。
- 設備のご紹介を
手術には複雑な臓器の細部や位置を明確にする三次元高解像度手術システムと超高精細の4K UHD(4K Ultra High Definition)手術システムを採用し、手術時間の短縮とより精度の高い低侵襲手術が可能になりました。
肥満治療のほかに、虫垂炎、ヘルニア、胆嚢結石症など腹部疾患の治療も行っています。内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP: endoscopic retrograde cholangiopancreatography)は胆管・膵管の検査と同時に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行うことができます。私はこれまでに約5000件の腹腔鏡下手術を担当しました。
当院は「術後早期回復プログラム(ERAS:Enhanced Recovery After Surgery)」を導入し、患者様の回復力強化に努めています。術前から術後まで一貫して患者様の痛みを軽減し、安全に体力を取り戻し、一日も早く社会復帰することを目指しています。
- 診察を受けるタイミングなど、在タイ生活でのアドバイスをお願いします
タイは食と文化に恵まれた国です。しかし、多様な年中行事や激務で食生活は乱れ運動不足となり、腹部の不調や肥満につながりやすいのが難点です。身体の変化をよく観察し、腹痛が続くなど症状が改善しない場合は自己判断で薬を服用せず、医師の診察を受けましょう。腹痛といっても痛みが右下腹部に移動したら虫垂炎、右肋骨下部なら胆嚢炎など、痛みの種類や場所で様々な病気の可能性があるからです。早期に発見し治療を始めることで重症化を防ぎ、健康を守りましょう。
バンコク病院JMS日本人専門クリニック
住所:2 Soi Phetchaburi 47 Yaek 10, Bang Kapi, Huai Khwang, Bangkok 10310(BTSトンロー駅から車で15分)
Tel:+66(0)2-310-3257(日本語・7:00〜17:00)/+66(0)2-310-3200(代表)
E-mail:jpn@bangkokhospital.com
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