初めてでも懐かしい。思い出の味に再び出逢う
タイには、家族の間で代々受け継がれる「ファミリーレシピ」をもとに開業したタイ料理レストランがいくつもあります。祖母の味、母の味、時には祖父や父の味も……? おそらく皆さん、家族に向けて作っていた身内の料理が、国籍問わず多くの人の口に運ばれることになるなんて思ってもいなかったことでしょう。
在タイ者はもちろん、今や海外からの観光客にもその名を知られる存在になった「Supanniga Eating Room(以下スパンニガー)」も、そんなファミリーレシピを継承し、多彩なメニューを提供するレストランの一つ。タイ東部・トラート県出身のソムスリさんが70年以上前から振る舞っていた料理にインスピレーションを受けた、スパンニガーグループの現CEO・タットチャイ・ナカパン(タット)さんが、そのお孫さんを含めた友人と共に2011年にオープンしたのがスパンニガーです。

1) 写真左から時計回りに豚肉のカレー煮込み「ムー・チャムアン(240B)」、甘辛く炒めた豚ひき肉とニンニクをミカンの上に乗せたタイの伝統的な前菜「マーホー(Ma Hor・5個190B)」、カニの卵と身を用いた濃厚な磯の味わいが特徴のタイ風ディップ「ナムプリック・カイプー(270B)」、イサーンで丁寧に育てられたプレミアム牛を使った「イサーンステーキ(牛・340B)」、キャベツのナムプラー炒め「ガラムプリー・トー(ド)・ナムプラー」
オープン前にこの世を去ったソムスリさんを偲ぶように、口にした料理の数々を思い出したことが現在のお店に繋がっているのだそう。気取った手の届かない料理ではなく、まるで実家の食卓のようにリラックスして口にできる料理を。決して新しくはないけれど、誰もが懐かしさと親しみを感じ、自分の中の思い出と再会できるような料理を……。こうしてスパンニガーはソムスリさんへの畏敬の念を自分のお店へ、訪れるお客さんへと昇華していったのでした。
本店かつ第1号店のコラートの地で抱いた想いは、ここバンコクでも変わりません。昔ながらの郷土料理と、それを現代風にアレンジした創作料理で、ミシュランの基準を満たしたお店に送られるミシュランプレートを4年連続で獲得。食材の鮮度にこだわり、野菜やハーブはバンコクはもとよりタイ各地から厳選した旬なものを入手。タイ料理に欠かせないナムプラー(魚醤)は、その香りの芳醇さでタイ随一と言われるトラート県産のブランドを取り寄せるなど、お客さんを笑顔にするために妥協することはありません。
そんな同店を訪れた時に絶対に食べてほしいのが、「ガラムプリー・トー(ド)・ナムプラー」。前述した特別なナムプラーを使ってキャベツを炒めたシンプルな料理ですが、ナムプラーの程よい塩気とコクがキャベツの甘みを引き出し、「ただのキャベツがこんなに美味しいなんて!」と衝撃を受ける逸品です。また、東部の郷土料理「ムー・チャムアン」もお見逃しなく。酸味のあるタイハーブ・チャムアンの葉と豚の塊肉を2時間じっくり煮込んだひと皿は、赤いスープが一見辛そうに見えますが実はその反対。辛さは一切なく、そのマイルドな味わいはタイ料理が苦手な人でも食べられると評判です。と、おすすめを挙げればキリがありません。ぜひご自身でご体感ください!
スパンニガーグループの現CEO・タットチャイ氏へのインタビューはコチラ!
Supanniga Eating Room @Tha Tien
場所:392/25-26 Maharaj Rd., Phraborom Maharajawang, Phra Nakhon
(MRTサナームチャイ駅1番出口から徒歩5分)
電話:02-015-4224
時間:月〜金11:00〜22:00(L.O.21:30)、土日7:30〜 22:00(L.O.21:30)※朝食メニューは16:00まで
※トンロー店・サトーン店情報はFacebook・ Webサイトよりご確認ください
WEB:www.supannigaeatingroom.com/
Facebook:SupannigaEatingRoom
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