「送別会ウツ」を知る
ついにこの日が来てしまった。気の合う友人の本帰国を見送るという駐妻の年中行事の、アレです。入れ替わりの激しい駐在生活では、出会っては別れての繰り返し。なかでも駐在生活中の様々な苦労を共にした、いわゆる戦友状態の友人の帰国は感情が揺さぶられますね。
「もう送別会ウツよ~」っていう言葉も、最近教わりました。送別会が嫌なんじゃなくて、支えあった友人を見送る喪失感から、バンコク生活が辛くなる心理状態をいうそうです。
今回のさっちぃも在タイ22年の大御所を見送りましたので、なんだか1つの時代が終わったような気持ち。そんな戦友との別れに相応しいイベント企画が先日ありました。
戦友との送別イベント
本誌、ダコのプラカノン特集、さっちぃと愉快な仲間たちで歩いてほしいという企画が舞い込んできた瞬間、ニヤリ。恥ずかしがり屋さんで絶対に顔出ししない彼女を、在タイ最後の記念にと引っ張り出しました。
写真を撮りまくりながら、ご飯食べまくって、面白いの見つけて突っ込みあうのも、いちゃもん付けあうのも、もう最後だと思うと泣きそうになるのを我慢して、なんでもないフリしながらの取材でした。ルーフトップバー「シエロ」からみた夕方のバンコクが余りに綺麗で、彼女のうれしそうな横顔に幸せを噛みしめました。
「いい思い出できたわ~。ありがとう♪」という彼女の目線は、遠く広がるバンコクの夜景のそのまた向こう、新しい日本の生活をしっかりと見据えているのが伝わりました。そうなのです。一度本帰国したさっちぃも分かること。帰る人はもう、次のステージ、新生活でのあれこれの脳内シミュレーションに忙しい。見送る側のしんみりした感傷に同調してる余裕もなかったりする(笑)。
むしろ日本に到着したその日から始まる、アヤさんなし生活という巨大ラスボスに向かって戦闘態勢です。
辛くなったらいつでも帰って来てね。第2の故郷バンコクはいつでも貴女を待ってるよ~♪
文・イラスト/駐妻探偵4号帰ってきたさっちぃ、写真/ひろみ