ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着することで、バンコクにいながら国内の観光地をCGで巡ることができる施設「バーチャルタイランド」が1月29日、ドゥシット区にオープンし、観光客の人気を集めている。最新の映像・音響技術によって、あたかも現地に立っているかのような現実感ある仮想体験が売り物だ。
バーチャルリアリティ(VR)は古くからある言葉だが、近年はHMDを使ったVR技術が大きく発展。今年はソニーなど大手企業が専用端末の発売を予定しており、「VR元年」とも言われている。
バーチャルタイランドでは、バンコク、パタヤ、アユタヤー、チェンマイの4カ所で収集した3次元データから、それぞれの街並みをCGで再現した。来場者は入口で渡されたHMDをかぶることで、ディスプレイ越しに広がる各地の風景を楽しむことができる。
CGで再現したパタヤ・ラーン島の白砂海岸(上)と本物の海岸(下)
担当者によると「仏像を裏から眺める」「パタヤ・ラーン島の白砂海岸を上空から見下ろす」といった、現地ではできない体験がお勧めだという。記者が体験したアユタヤー市内は、夜景に浮かび上がる遺跡群など、現実と見間違うほどのリアリティだった。
中にはバンコク都内の名所観光を、すべてCGで済ませた気になってしまう外国人観光客も。
「外に出れば『本物』が見られるのに、はるばるバンコクまで何を観光しに来たのか」と担当者も首を傾げる。
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虚構新聞社・社主UK氏が2004年に開設した、虚実の狭間を行き交う可能性世界の出来事を報道するニュースサイト。「ありそうでなさそうで、でもやっぱりあるのかもしれないけど、まさかそんなことはないだろう」といった記事を掲載。当「バンコク版」においても内容はすべてフィクションであり、現実の人物・事件・団体とは一切関係ありません。本誌に掲載された記事により、損害や賠償が発生したとしても、著者ならびに編集部では一切の責任は負いません。