男と女の学際研究

日タイ夫婦減少は 所得低下のせい? vol.005

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男と女の学際研究 ~現役学者が微笑みの国を考察!~

4人の現役研究者が「日本男とタイ女」をテーマに、いろいろな角度から考察する連載コラムです。

 

環境工学 岡寺 智大

 

前回(410号)、日本男とタイ女の婚姻件数が減少している事が明らかとなり、その理由は日本とタイの所得水準の差にあるのではないか? という仮説を立てました。では、この仮説は正しいのでしょうか?

 

所得格差はピーク時の半分に

そこで日本の一人あたりの国民総所得(GNIPC)の名目値[1]を見てみますと、2013年の日本GNIPCは4万6330USドルになります。
また、過去45年の日本のGNIPCの推移を見ますと、’85年(1万1360USドル)から急増し、’96年には4万2030USドルと、わずか10年で約4倍になりました。

しかし、その後、日本のGNIPCは急激に落ち込み、3万2830~39140USドルの間で推移する事となります。そして、’10年に’96年の水準に回復し、現在に至っています。

一方、’13年現在、タイは5340USドルです。タイの過去45年のGNIPCを見ると、アジア通貨危機前年では2980USドルでした。しかし、その後10年間、1900~2890USドルの間で増減し、’07年(3280USドル)にアジア通貨危機の水準を超え、年2~14%の成長率で伸びています。

さて、両国のGNIPCを比較すると、’13年の日本の所得水準はタイの8・7倍になります。この両国のGNIPC比(所得格差)の推移を求めると、’01年の18・7倍を境に急減し、’13年の所得格差はピーク時の半分に満たない事がわかります。

 

経済力以外の魅力も重要に

ここで日本男・タイ女の婚姻件数[2]の推移をみると、2013年の婚姻件数は、ピークを迎えた2000年の半分に満たず、所得水準の動向と類似した挙動を示しています。そのため、日本男・タイ女の婚姻件数の減少は、両国の所得格差の縮小が大きな要因と言えそうです。

最近ではベアを実施する企業も増え、今後、日本男の所得が増えて、タイ女との婚姻件数も増える可能性もあると思います。一方で、タイの所得水準も向上していますので、経済力以外の魅力が、今後、日本男にも求められるようになるかもしれません。

 

【参考資料】日本男とタイ女の婚姻件数の推移と、日タイの所得格差の推移を比較

 

DanjoZu

【参考文献】

[1]GNI per capita, Atlas method (World Bank)

[2]人口動態調査(厚生労働省)
URL: http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html

 

Okadera おかでら・ともひろ

工学博士。学位取得後、(独)国立環境研究所に研究員として配属。モンクット王工科大学トンブリー校に客員研究員として1年間赴任後、現在、国立研究開発法人国立環境研究所主任研究員。専門は環境工学および環境経済学。

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