1994年生まれ、神奈川県出身。日本人の父親とタイ人の母親から生まれ、幼少期からサッカーをスタート。プロを志すものの大学卒業後、親戚の誘いを受けタイへ移住。建設関連会社に勤めながら、2018年にビーチサッカーを始める。現在はクラブチーム「BQ OKANE」とタイ代表で活動中。 インスタグラム: @masahimo33
「お前、タイのパスポート持ってるか?」。タイを拠点にサッカー・コーディネーターを行い、タイのビーチサッカーリーグ委員を任されていた小倉敦生さんから誘われたことが、すべての始まりでした。僕はタイ人と日本人のダブルで、その頃ちょうどタイのパスポートを取得する手続き中だという話を伝えると、「じゃあ、ビーチサッカーやってみないか?」って。日本からタイに移住して約2年半が経った、2018年1月のことでした。
当時、タイのビーチサッカーリーグは創設されたばかりで選手がそろっておらず、いきなり代表チームの練習に参加することになったんです。ビーチサッカーは世界的に見たらまだマイナー競技で、僕自身もその存在を知らなかったのですが、自分の現状を打破する意味でも「やってみたい」と迷うことなく返事をしました。慣れる間もなく代表チームに帯同するなど、とにかく目まぐるしかった。サッカーのプロを志していた時期もあった僕ですが、ビーチサッカーは全くの別ものだと感じました。
GKはゴレイロ、DFはフィクソ、MFはアラ、FWはピヴォとポルトガル語で呼ばれていて、サッカーの約3分の1にあたるピッチ(縦37m×横28m)に立てるのは5人。12分×3セットで、入れ替わり立ち替わり交代することができます。展開の速さという面ではサッカーよりフットサルに近いですね。僕は「ピヴォ」で、2019年のタイリーグではありがたいことに得点王のタイトルを頂きました。
ビーチサッカーの認知度向上へ
一つひとつ、結果を残す
サッカーとの大きな違いは、コートでしょうか。芝生でも土でもない、ビーチという不安定な足場で行うのは慣れるまでとても大変でした。当初は砂に足をとられて、筋肉はパンパンだしボールが不規則に転がるし、裸足でボールを蹴ることにも不慣れで足の指をよく突き指したり…とできないことだらけでしたが、それが逆に面白かった。純粋にうまくなりたいと思えたんです。ビーチサッカーはオーバーヘッドなど空中でのアクロバティックな動きが多く、ルールを知らない人でも観戦を楽しめる点も魅力だと思います。
タイは現在FIFA世界ランキング71位で、強豪国であるブラジルやロシア、イランにはまだまだ及びません。またプロリーグがなく、実戦は年1回の国内リーグと国外遠征など限られています。僕自身は今、ようやく競技の輪郭がが少しわかってきて、どうやったらもっと上手く体が使えるか、早い判断が出来るようになるか技術面の向上を目指している段階です。セパタクローが盛んで、アクロバティックな動きに馴染みがあるタイ人の運動能力には驚かされますし、教わることも多いですね。普段は仕事をしながら時間をつくり、朝晩で計4時間ほどのチーム練習があるのですが、それ以外に自分たちでスポンサー営業を行うなど、地固めして進んでいる感じです。
そんな僕の原動力は家族や友人の存在です。僕がサッカーを始めてから、ビーチサッカーに至るまで、紆余曲折いろいろな方に支えてもらいました。みんなに応援してもらえてるからこそ、厳しい時期や苦しい時期があっても乗り越えられるし、「試合見たよ! おめでとう!」と言われるのが嬉しくて、また次も頑張ろうと思えます。
直近の大会は7月のリーグ戦です。ぜひFacebook「Futsal Thailand」で最新情報をご確認ください!