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【虚構新聞バンコク版】バンコクで死者多数? 日本のマスコミ、 誤報続々… vol.015

インラック首相に対し憲法裁判所が失職判決を下した先月7日、「バンコクに数千の死体が集まっている」との情報が、一時日本を駆け巡る騒ぎがあった。

 

首相の失職が日本に伝えられたのは同日午後。新聞社、テレビ局など大手マスコミが「バンコク都内で死者多数」との情報を、このニュースと共に報じた。

バンコクでは連日反政府派による大規模デモが続いていたため、失職を引き金に武力衝突に発展したとの見方が強まり、外務省や日本大使館に一時安否確認の問い合わせが相次いだという。

だがその10分後、誤報であったことが判明。各社とも訂正放送と謝罪に追われた。

 

その後の調査で、この誤報の原因は「タイ人」を意味する「コン・タイ」と、「死人」を意味する「コン・ターイ」の聞き間違いであった可能性が高いことが分かった。

「失職判決後、都内に多くのタイ人が集まった」という情報が「都内に多くの死人が集まった」と誤って日本に伝わった結果、今回の誤報になったようだ。

 

上が「タイ人」、下が「死人」を表すタイ語

 

昨今インターネットを中心にした通信インフラの普及から、スカイプなど安価な音声通信での情報交換が容易になったが、その反面、あいまいな情報が飛躍的に拡散しやすくなった。

今回の騒ぎではそのようなネット情報の不確かな側面が浮き彫りになったかたちだ。

 

インラック首相の退陣を契機にした今回の騒動。今一度初心に帰り、相手の目を見ながらやりとりする退陣、いや、タイ人、もとい、対人コミュニケーション能力が重要であることを教訓として残しそうだ。

 
 

Kyoko Shimbun(虚構新聞:http://kyoko-np.net)について

虚構新聞社・社主UK氏が2004年に開設した、虚実の狭間を行き交う可能性世界の出来事を報道するニュースサイト。「ありそうでなさそうで、でもやっぱりあるのかもしれないけど、まさかそんなことはないだろう」といった記事を掲載。当「バンコク版」においても内容はすべてフィクションであり、現実の人物・事件・団体とは一切関係ありません。本誌に掲載された記事により、損害や賠償が発生したとしても、著者ならびに編集部では一切の責任は負いません。

 

 

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