クーデターの後、夜間外出禁止令が出て早3日。
初日のような大渋滞やBTSなどでの混乱も減っているように感じます。
22時近くに帰宅しても、屋台でのんびりご飯を食べているタイ人を見かけたり。
少しずつ、この状況に慣れてきているのでしょうか。
今回の「バンコクの街角」では、テレビやラジオ、タイ人との会話で
よく耳にするクーデターに関するタイ語をまとめてみました。
情報入手の際の一助にしてください。
その1.「ラッタ・プラハーン」
タイ語:รัฐประหาร
こちらは、その2.で紹介する「ユット・アムナート」とともに「クーデター」のことです。
前半の「ラッタ」は「ラタバーン」で「政府」。
後半の「プラハーン」は「殺す」という意味なので、
「政府を殺す=政権略奪」といった感じでしょうか。
その2.「ユット・アムナート(・ガーン・ポッククローン)」
タイ語:ยึดอำนาจ(การปกครอง)
こちらも同じく「クーデター」。
直訳すると「統治権を掌握する」という意味。
カッコ内の言葉「ガーン・ポッククローン」が「統治」に当たり、
会話の中などでは、このカッコ部分は略されたりします。
その3.「パティワット」
タイ語:ปฏิวัติ
この言葉も「クーデター」という意味で捉われがちですが、
本来の意味は「革命」です。
タイで言うと、1932年の「立憲革命」のように、
「絶対君主制」から「立憲君主制」に移行するなど、
政治体制が大きく変わったときに使われます。
今回のクーデターでも、メディアによってはこの言葉が使われていましたが、
厳密には違います。意図的に使っていた、かどうかは分からないですが……。
その4.「カナ・ラクサー・クワーム・サゴップ・ヘーン・チャート(コー・ソー・チョー)」
タイ語:คณะรักษาความสงบแห่งชาติ (คสช.)
順番的には、その5.の「ゴー・オー・ソー・ロー」が先に組織されましたが、
今では、ニュースなどではこちらがメインだと思いますので、先に紹介。
5月22日のクーデター以降、プラユット陸軍司令官を長とする、軍事政権のことです。
5月20日の戒厳令から22日のクーデターまでは、下の「ゴー・オー・ソー・ロー」でした。
タイ人と話していると、まず正式名称で呼ばれることはなく、
略称の「コー・ソー・チョー」ばかりが耳に入ってきます。
組織名や役職名などの長い名前などでは、
基本的に略して使われることが多いタイ語なので、
知らないと何のことかさっぱりか分かりません。
英語で「National Peace and Order Maintaining Council(NPOMC)」。
ダコのウェブサイトでも速報している在タイ日本国大使館からのお知らせでは、
「国家平和治安維持委員会」と訳されています。
その5.「ゴーン・アムヌアイガーン・ラクサー・クワーム・サゴップ・リアップローイ(ゴー・オー・ロー・ソー)」
タイ語:กองอำนวยการรักษาความสงบเรียบร้อย (กอ.รส.)
英語で「Peace and Order Maintaining Command(POMC)」。
同じく、在タイ日本国大使館からのお知らせでは「平和・治安維持委員会」と
訳されていました。戒厳令が出た後に、組織されたのがこちらです。
その6.「クーフィウ」
タイ語:เคอร์ฟิว
英語の「curfew」から来ていて「夜間外出禁止令」のことです。
初めて聞いたときは「カフュール」と聞こえ、今はなき
スーパーマーケット「カルフール」のことかと思ってしまいました。
正式には(お役所言葉では)「ガーン・ハーム・オーク・ジャーク・ケーハサターン・ウェラー・カム・クーン」(タイ語:การห้ามออกจากเคหสถานเวลาค่ำคืน)
と言います。意味はそのまま「夜間に屋外へ出ることを禁止」。
ちなみに、5月20日に発令された「戒厳令」(martial law)は
タイ語で「ゴット・アヤガーン・スック」(タイ語:กฎอัยการศึก)です。
これを書いている土曜日の夕方、クーデターに講義するデモがバンコク中心部で行われたり、と
まだまだどうなるかわからない状況ですので、くれぐれも安全に気をつけてください!
(U)