家族で、デートに、サークルの仲間と。休日の楽しみに、ぜひバンコクでのサッカー観戦を加えてみよう。
タイのプロサッカーが、数年前から徐々に盛り上がりを見せているが、特に今年は見ごたえあるはず! との情報が飛び込んできた。
サポーターと喜びを分かち合うブリーラムの選手たち
【取材・文】本多辰成:バンコク在住ライター。サッカーのタイリーグをはじめ、東南アジアのスポーツを中心に取材・執筆をする。
知って、観よう! サッカー耳より情報
日本からも注目されているタイ・プレミアリーグ
バンコク在住者には、すでにタイ・プロサッカーの最高峰、プレミアリーグ(全18チーム)の試合観戦が人気だが、実は日本のサッカーファンの間でもプレミアリーグへの関心が高まっているのだ。
Jリーグが「アジア戦略」として東南アジアとのつながりを強めているのも理由のひとつだが、そもそもタイリーグには日本国外で最も多い60人以上の日本人選手がプレーしているのだ。
今季からはスパンブリーFCというチームで、日本でも有名なカレン・ロバート選手がプレーしている。
かつて高校サッカーでスターだった選手だけに、聞き覚えがある方もけっこういるだろう。
チームの作戦が読めるか!?勝負を決めるのはミドルゾーン!
サッカーは「中盤を制するものがゲームを制す」と言われる。中盤とはミドルゾーンのポジションのことで、そこでの駆け引きが勝敗を左右するという意味だ。一般に、実力上位のチームはボールを持つ時間が長いため、中盤でパスを回しながら攻撃を組み立てる。
一方、守備にまわるチームは機を見てボールを奪い、一気に攻め上がる「カウンターアタック」を狙う。
たとえばバスケットなら、攻める時間が長いチームがほぼ確実に勝つが、サッカーでは必ずしもそうならない。
サッカー観戦のポイントは 「パスをまわして攻撃するチーム」と「カウンターを狙うチーム」の駆け引き。注目して見てみよう。
年々盛り上がるタイ・プレミアリーグ
※編注:「タイ・プレミアリーグに行こう! SAMURAI×TPL」(http://tplij.net/)で、詳しい情報がチェックできます。
行ってみたら、こうだった!前シーズン観戦レポート
タイのサッカーシーズンは、日本とほぼ同じで3月から11月頃まで。
前シーズンの終盤に行なわれたプレミアリーグと下位リーグのディヴィジョン2と1、全109チームが参加した「トヨタ・リーグカップ」、こちらの決勝戦の様子を紹介します。
ワンデートリップも兼ねた今季観戦の参考に!
ソンテウに揺られスタジアムへ
試合会場はタマサート・ユニバーシティー・スタジアム。タマサート大学ランシット・キャンパスの敷地内にあり、プレミアリーグ「ポリス・ユナイテッド」のホームスタジアムでもある。
キックオフは夕方の5時45分。時間に余裕があったので、ロット・トゥー(乗り合いバン)やバスを乗り継いでのんびりと向かうことにした。
まずはBTSビクトリー・モニュメント付近からランシット行きのロット・トゥーに乗って、ショッピングモールの「フューチャーパーク」まで行く。そこで尋ねると、スタジアム行きのソンテウ(乗り合いピックアップトラック)があると教えてもらった。
やや半信半疑だったが、言われるままにそのソンテウに乗リ込むと、10分ほどで無事にスタジアムのゲート前に辿りつくことができた。
スタジアム周りはお祭りのよう
熱狂的なサポーターが詰めかけるスタジアムもたくさんある!
決勝戦のカードは、今季も国内タイトルを総なめにしているタイ最強チームのブリーラム・ユナイテッドと、初めてのタイトル獲得を目指すラーチャブリーFC。
スタジアムに着いたのは試合開始の1時間ほど前だったが、すでに両チームのユニフォームを着たサポーターたちがスタジアムの周辺にけっこうあふれていた。
スタジアムの敷地内にはたくさんの屋台やアトラクションなどが用意されていて、さながらちょっとした祭りのような雰囲気だ。
試合までの時間を思い思いに楽しむことができるのも、スタジアム観戦の醍醐味だろう。
観客には日本人の姿も
スタジアムの中に入ると、2万5000人収容の大きなスタジアムだけに、さすがにまだ空席が目立つ。だが、これはタイのスタジアムではいつもの光景で、スタンドは試合が始まってから徐々に埋まっていくのが常なのだ。
この日も、キックオフ後にもぞろぞろと観客が入り続け、気づくとスタンドには、ほとんど空席はなかった。
スタンドにはタイならではのおもしろ横断幕も!
バックスタンドの左右に陣取る両チームの熱いサポーターたち。彼らが掲げる横断幕の中には「一番の自動車はトヨタだよ〜」という、なぜか大会の冠スポンサーを持ち上げるような言葉が踊っていたりする。
そんなどこかタイらしいゆるさを感じさせつつも、ゲームのほうは白熱し、逆転勝利したブリーラムが、優勝カップを手にした。
ブリーラムは現在、タイの最強クラブだ
試合後、スタジアムの外でブリーラムのユニフォームを着た日本人の親子連れに遭遇した。ブリーラムに所属する日本人、平野甲斐選手のファンでチームを応援しているのだという。
バンコク近郊には多くのスタジアムがあり、チケットも100Bほどと安価。すでにタイのプロサッカー、タイ・プレミアリーグの試合観戦は、在住の日本人にとっても週末レジャーのひとつになりつつあるのかもしれない。
Data
【試合日時】2013年11月23日17時45分〜/ブリーラム2-1ラーチャブリー
【試合内容】前半9分にラチャブリーFCがフリーキックからのワンチャンスを生かして先制。タイ国内3冠を目指すブリーラム優位と見られていただけに、見る側にとっては面白い展開となる。前半はそのままラーチャブリーFCのリードで折り返したが、後半に入ると立ち上がりにブリーラムがPKで同点に追いつき、その後も攻めつづけたブリーラムが決勝点を決めた。
サッカー好きな家族や友達、彼に付いてきたあなたに!
スタジアムでの楽しみ方ガイド
①スタジアム周りには屋台などがたくさんある
試合日のスタジアム周辺は食べ物や応援グッズの屋台が出ているところが多く、スタジアムによってはアトラクション的なものが行われている場合もある。少し早めに行っても楽しめる。
②チームショップで買い物
ほとんどのスタジアムにはチームのオフィシャルグッズが売られているプロショップが併設されている。ユニフォームなども日本よりもかなり割安で購入できるので、グッズを購入しての応援も楽しいかもしれない。
③タイならではの試合前の儀式
試合前には映画館などと同様、選手入場が終わると全員起立して、スクリーンにプミポン国王の映像が映し出され国王讃歌が流れる。タイサッカーならではの雰囲気が味わえる。
④日本人選手に注目
タイ・プレミアリーグは、日本国外で最も多くの日本人選手がプレーしているリーグ。日本人選手がいないチームの方が少なく、今年は元日本代表など有名選手も数多い。日本人選手に注目して試合を見るのもいいだろう。
⑤オリジナルのチャントを知る
ブリーラム・ユナイテッドなど、サポーターたちがオリジナルのチャント(音楽)で応援するチームもある。これもほかの国のサッカー観戦とは一味違った、タイリーグ独特の雰囲気が味わえる。
⑥とにかく一緒に盛上がろう!
「攻めてるな!?」と思ったら、とりあえず「いけー!」と大声を出してみたり、チャントの拍子に合わせてみたり。タイ・プレミアリーグの応援は、最高のストレス発散&リフレッシュタイムなのだ。
試合会場
Thammasat Stadium
場所 Thammasat University Rangsit Campus, 99 Moo.18, Paholyothin Rd., Klong Nueng, Klong Luang, Pathumthani
電話 0-2564-4425
スタジアム開場時間 月~金:12時~21時、土日:10時~21時
HP www.tusports.net、www.facebook.com/tusports
行きかた
バス:No.29、39、510
ロット・トゥー(乗り合いバン):戦勝記念塔のセンターワン向かい側の乗り場からタマサート・ランシット校行きに乗車。 6時~22時。片道40B
スケジュール
14:30 戦勝記念塔からランシット行きのバスに乗車
16:00 フューチャーパーク到着
16:30 タマサートスタジアム到着
17:00 スタジアム周辺を少し散策してから入場
17:45 試合開始
19:45 試合終了
20:00 スタジアム前からタクシー乗車
21:00 帰宅