今号の読者からのご相談
(前略)彼女は現在バンコクに住んでおり、結婚を前提に交際しておりますが、タイ人のVISA なしツアーが解禁されたことにともない、一緒に日本へ旅行に行く計画を立てました。
しかし「自分はタイ人ではないので一緒には行けない。パスポートも取得するのが難しい」と言い、不審に思いIDカー ドを確認したところ、
บัตร ประจำตัวบุคคลทีไม่มีสถานะทางทะเบียน というカードを持っていました。
タイに本籍がない外国人用のIDカードのようです。
国籍はミャンマーですがパスポートを持っていません。有効期限は2007年から10年間。
彼女が言うには、幼少期に家族共々ミャンマーからタイに渡って来て、現在はチェンラーイ県に家族の生活基盤があるとのこと。
IDカードの住所もチェンライ県。ちなみに彼女は、ミャンマー語を話せません。
教えていただきたいのは、 このようなIDカードを持っている人たちは法律上どういう人たちなのでしょうか。また、タイに国籍を変更する(帰化する)ことは容易ですか?
できるとしたらどのような要件があるのでしょうか。
帰化できなくてもミャンマーのパスポートを取得して日本に呼び寄せることは可能でしょうか。
(ジアップ)
カードの正体
送ってもらいましたIDカードの画像をもとに調べました。
このIDカードは国籍不明者でタイにいる人、または国籍はあるけれど母国に帰れない人に対してタイ政府が発行しているものです。
いずれも法的な身分は無国籍者ですから不法滞在になりますが、タイ政府に保護されています。
そのため滞在地区は限られており、そこから外へ出たり、働く必要があるときには、地域の行政機関へ申請することが義務付けられています。
ミャンマーから日本
チェンマイにMAP基金という移住者のためのNGOがあります。ここに問い合わせたところ、対応してくれたのがゲーオさんという、ジアップさんの彼女と同じカードを持つミャンマー人男性でした。
タイに帰化できるか。これは無理ということ。
そして日本行き。ゲーオさんは、ジアップさんの彼女が自分の妹だとしたら「ミャンマーへ帰る」ことをすすめるそうです。
現在ミャンマーでは2015年の大統領選挙に向けて、海外にいるミャンマー人に対して帰国を促しているそうです。ミャンマーでIDを取得、パスポートを申請し、日本行きの足がかりとするべきだということです。
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