長屋を抜けると、そこは打ち上げ花火屋だった。
とあるお寺近くのほっそい裏道(幅1.2mほど)を歩いていたら、
道の最後に個人商店の花火屋にぶつかった。
線香花火なんかを思い浮かべて、「花火かぁ~」なんて、
ちょっと目を輝かせて寄ってみたが、すぐにビビッた。
すべてがプロ仕様に見える。
これって船から打ち上げるようなサイズじゃないの?!
床においてある四角いのは石油缶より若干大きめ。
この黒い筒は、高さ60cm、直径18cmほど。
あのテラコッタ色の球形のものは、大きいやつでバレーボールほどある。
「ここにある花火、個人で買ってもいいんですか?私が買ってもいいんですか?」
おそるおそる聞くと、想像していた通りの答え。
「いいですよ! だいたい1個400Bです。まとめて買えば値引きしますよ」って。
日本では「煙火打ち上げ従事者」、つまり花火師が持つ資格がないと買えないサイズなのでは?
「火薬類取締法」の範疇に入りそうな花火ばっかり。
ひやーっ。こんなに簡単に天に舞う花火を、ド素人の私が買えるんだ……。
タイ人の友人にネットで花火に関する法律をザッとだけれど、調べてもらった。
「売る人には免許が必要ね。買う人には免許は要らないわ。
だたし、事故を起こしたら責任を取らないといけないの」。
ひょっとしたら、詳しい情報を拾いそびれているかもしれない。でも……
それだけ?
前々から思っていたけれど、ますます確信した。
タイは「自己責任の国」です。(K)
みなさん、間違っても四尺玉など買わないように!