ソムタムとは
パパイヤをぽくぽく叩いて作ります
ソムタムに使われる食材は、熟していない青いパパイヤを千切り状に削りだしたものをメインに、トマトやにんじん、さやいんげんに似た長ささげなど。これら具材を「クロック」と呼ばれる臼に入れ、調味料を加えつつ、突き棒でぽくぽくとついて味をなじませて完成する、サラダのようなタイ料理だ。ソムタムにはたくさんのバリエーションがあるので、ジャンル名と考えるとわかりやすい。
発祥は?
都会に来て名前もおしゃれに変わりました
ソムタムの起源はイサーン(タイ東北部)とラオスにある。イサーンだとソムタムではなく、「タム・バック・フン」というのが本来の名称。ただしこれはパパイヤをメインに使うソムタムの場合。後述するがパパイヤ以外のソムタムも多数存在するので、タム・バック・フンを含めた大きな総称として「タム・ソム」という呼び方が存在する。タムというのは「棒で強く突いてつぶす」、ソムは「酸っぱい」という意味。タム・ソムがタイ全土に広まるにつれ、転じて「ソムタム」となったと推測される。
どんな味?
基本は2種。味の分かれ目はタレにあり
ソムタムは辛・酸・甘・塩味がそれぞれ主張する料理。その味付けはタレで決まり、一般的にソムタムはタレの違いから2種類に大別できる。
1つめは「ソムタム・タイ」という、中部地方で人気のもの。ピーナッツと乾燥エビが入るのが特徴で、ヤシ糖やタマリンド、ナムプラーなどから作られる甘酸っぱいタレを使う。
2つめは「ソムタム・プラーラー」という、イサーンで人気のもの。唐辛子をたっぷり入れるのが特徴で、タレはヤシ糖とタマリンドが入るのは同じだが、ナムプラーではなく「プラーラー」というイサーン地方の調味料が使われる。
プラーラーとは塩漬けにした魚(7種類ほどあるが主に淡水魚)を米ぬかとともに、壺に4~6カ月以上いれて発酵させたもの。タイ人は「臭い」というが、それよりも強い塩味とその奥にある魚のうま味を感じる調味料だ。
またソムタム・プラーラーには黒くて小さいカニを入れることが多い。この場合「ソムタム・プー・プラーラー」となる。これは生のまま塩漬けにしたカニ(一番使われるのは田んぼにいる種類)を、そのままクロックに放り込んで他の具材とともに突き崩したもの。食べられるのだが、どちらかというと風味付けが目的に感じる。タイ人は「カニは美味しいけどお腹を壊す」と語るので注意。
そのほか北部ではプラーラーと似た「ナム・プー」、南部ではナムプラーに似た「ナム・ブードゥー」を使うなど、地域ごとにもソムタムは特徴がある。