The Next Step in Thailand

【The Next Step in Thailand #004】西野朗サッカータイ代表監督のコーディネーターを務める、 小倉敦生氏

小倉 敦生(おぐら・あつお)
1979年生まれ、東京都出身。幼少期から父親の影響でサッカーに関わり、2012年〜タイ・プレミアリーグ「チョンブリーFC」国際マーケティング部長として勤務。16年に自身の会社「RIDDIM(ASIA)CO.,LTD.」を立ち上げ、独立。サッカー・フットサル・ビーチサッカーを中心に幅広く事業を展開する。

Jリーグとタイリーグのクラブ間で初めてとなる業務提携を締結。タイ人選手初のJリーグ移籍を実現するなど、裏方という立場から日タイのサッカー界に影響を与えてきた小倉敦生さん。2019年からはタイ代表監督のコーディネーターを務めるなど、縦横無尽に両国のサッカー界を盛り上げる。

僕の職業をひと言で表すなら…フリーターでしょうか(笑)。固定の仕事というよりも期限付きでさまざまな仕事を常に掛け持ちしています。

分かりやすく言うならサッカーをはじめフットサル、ビーチサッカーに関わるコーディネーターですね。その他、タイ代表チームにウエアを提供する「WARRIX社」のダイレクターとして海外事業をサポート、2019年からはタイ男子サッカー代表監督に就任した西野朗さんのコーディネーターを担当。

一方で、友人の相原ユタカがオーナー兼選手として運営するプロフットサルクラブ「YFA WARRIX SRIRACHA FC」のゼネラルマネージャーになったり、タイのビーチサッカーリーグ立ち上げを手伝っていたらいつの間にか協会役員になっていたり(笑)。

形にとらわれず、助けを求められたらそれに応える。「持ちつ持たれつ」のスタンスで取り組んできたことが、それぞれの仕事に繋がってきたのかなと思っています。

サッカーとの関わりは、日本サッカー協会の役員に名を連ねる父親の影響で当たり前のように幼少期から生活の一部として始まっていました。ただ、僕にとってサッカーはプロを目指すものではなく趣味として楽しむもの。仕事として強く意識したことはなかったのですが、07年に日系IT企業の営業職としてタイで暮らし始めて数年が過ぎた頃、数年が過ぎた頃、「サッカーに関わる仕事がしたい」という気持ちがふつふつと湧いてきたんです。そして裏方として関われる仕事はないかと探していた時に紹介されたのが、タイ・プレミアリーグ(以下タイリーグ)1部に在籍する「チョンブリーFC」でした。

チョンブリーFCは日本のサッカースタイルを目指していたこともあり、日本と連携をとれるマーケティング担当を探していたんです。そのタイミングで運よく採用が決まり、12年から働き始めたのですが…現場はとにかく呆気にとられることばかり(笑)。業務やイベントといったクラブ運営に関わる明確な年間スケジュールさえなく、場当たり的な体制だったんです。前職の経験やサッカー関係の仕事に就く友人の話を聞きながら、全体のスケジュールや営業戦略など必要なものを洗い出し、一つひとつ調整しながらゼロから仕事をつくっていきました。

そのなかで、当時初めてとなるJリーグのクラブとの業務提携をヴィッセル神戸と結び、ユース年代の合同キャンプや交換留学制度の立ち上げ、日本への選手派遣、日系企業のスポンサー獲得など自分の強みを活かし、日本とタイに関わる取り組みを形にしてきました。こうした経験や人との出逢いが、16年の独立以降の事業を支えてくれています。

これまで築いてきた人脈が財産
最終ゴールは「Jリーグを世界最高峰に」

タイリーグを約10年ほど見てきて感じるのは、サッカー観の変化です。タイでは元来、戦術よりも能力重視。もともと身体能力が高く、足先も器用なので戦術がなくともある程度は勝つことができるため、“考えるサッカー”がおざなりになっていました。数十年前までは能力で日本を上回っていたタイですが、近年は日本の背中を追い掛ける歯がゆい状況に。日本の成長を目の当たりにし、2010年前後から戦略に基づいた考え方、若い世代の育成強化に乗り出しました。

ただ当時、優秀な指導者がいなかった。戦略や育成を考える素地がまったくなかったんです。信じられないことですが、私がチョンブリーFCで働き始めた頃は、指導者ライセンスがなくてもプロクラブの監督になれた時代でした。そういった体制をまず整えなければと、仕事のパートナーであり今はタイサッカー協会に所属するタイ人と共に、Jリーグを参考に指導者規定を見直し。ライセンス取得の義務といった今の基盤を定めたこと、日本人選手や日本人監督のタイリーグ参入が今日の “考えるサッカー”に一部繋がっているのではと感じています。

そして近年のタイリーグでは選手だけでなく、西野監督をはじめとする指導者やトレーナーなど多方面で日本人が活躍しています。皆さんにはぜひタイ代表をはじめ、タイサッカーの応援もお願いできればと思います!

今後のタイリーグの課題だと思う点は、安定した人気を獲得するためのコンテンツ強化。昔は娯楽と言えばテレビや音楽など選択肢は限られていましたが、今はその選択肢が無数にあり需要が分散されています。これまで培ってきたクラブ運営やマーケティング、スポンサー営業といったサッカービジネスに関わるノウハウを活かし、その強化に貢献していきたいですし、ひいてはJリーグがいつの日か世界最高峰のリーグへと躍進できるよう、僕自身もその一助になれれば嬉しいですね。

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