年末、泥酔したヨードが渋谷からタクシーで帰ってきたのは、もう5、6年前のこと(タクシーの中で目覚めるパターン)。代金1万6000円。しかも、1週間に2回。さすがにそれ以来、どんなに酔ってもタクシーには乗らず、大船駅で目覚めても、西国分寺のファミマで我に返っても、駅前で夜を明かし、始発で帰宅するようになっていた。
が、先月。中目黒で送別会と言っていたので、一応、夜11時に電話をしたら、「電話してくれてありがとう。今から帰る」というので、安心していたら、深夜1時半に電話があり「今、タクシー。もうすぐ家につく。財布に1000円しかないので、お金を用意しておいて」。まじか。
「メーターはいくら?」と聞くと、「5000円」。こっちだって、現金ないよ。ダッシュでコンビニに行くも、土曜深夜はATMが使えない。今、どこ? と電話をすると、「今、高速」と。メーターは1万円を超えたらしい。そこで、500円玉貯金箱からじゃらじゃらと取り出して、最終的に1万6000円と高速代を支払った(後で友人に、クレジットカードが使えると聞いた)。
で、そのお金は日々のレッスン代から返済。ようやく完済した先日、ジムの忘年会で渋谷に。夜10時に確認の電話を入れたのに、1時半に「今、水道橋の高架下にいる。電車がない。寒くて死にそう」と。
「タクシーはやめてよ」「寒い。迎えに来て欲しいけど、来るか来ないかは、あなた次第」「行かないよ」と電話を切って5分後。凍え死んでも後味悪いし、警察沙汰や、またタクシー帰宅するかと思うと、おちおち眠れない。
タイ人的にはお仕置きよりも恩を売ったほうがいいだろうし、ヨードのためというより、私の精神衛生上のためにも迎えに行こう!
「行ってもいいけど、いくらで雇う?」「2000円」「行かない」「1万1000円(なぜに半端な値段!?)」「OK」と交渉成立。
知り合いのタイ人ダンナを持つ日本人妻は、飲み会の日はどこでも送迎していると聞いて、ずいぶん面倒見がいいなーと思っていたが、ちょっと気持ちが分かってきた。
下関崇子/ムエタイ修行のために来タイした元プロキックボクサー。タイ人トレーナー、ヨード氏と結婚し一男一女の母に。2006年6月、6年間のタイ生活に終止符をうち一家で日本へ。草の根の日タイ交流、続行中!